アスペルガー症候群(ASD:自閉スペクトラム症)かもしれないと気になった時、まず「アスペルガー 診断テスト」と検索して情報を集める方は少なくないでしょう。
この記事では、アスペルガー症候群(ASD)の自己診断テストの種類や注意点、大人・子供・女性それぞれの特徴、そして医療機関での正式な診断方法や相談先について詳しく解説します。

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アスペルガー症候群(ASD)の自己診断テスト
インターネット上には、アスペルガー症候群(ASD)の傾向をセルフチェックできるテストがいくつか公開されています。手軽に試せる一方で、その結果の解釈には注意が必要です。
自己診断テストを行う上での注意点
自己診断テストは、あくまで医学的な診断に代わるものではありません。
テスト結果はご自身の特性を理解するための一つの手がかりとして捉え、気になる点があれば必ず専門医に相談するようにしましょう。
これらのテストは、アスペルガー症候群の傾向を簡易的に把握することを目的としており、確定診断を下すものではないことを理解しておくことが重要です。
また、テストの結果に一喜一憂しすぎないことも大切です。
特性の現れ方には個人差が大きく、テストだけでは全てを判断できません。
代表的な自己診断テストの種類
いくつかの代表的な自己診断テストをご紹介します。これらのテストは、あくまで傾向を把握するための参考として利用しましょう。
テスト名 | 主な目的(評価項目) | 形式 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
AQテスト(AQ-J) | 自閉スペクトラム症の特性(社会的スキル、コミュニケーションなど) | 質問紙 | 50の質問項目、点数でASD傾向の強さを測る | 医学的診断ではない、傾向の把握 |
ASRS V1.1テスト | 成人のADHDの特性(不注意、多動性、衝動性) | 質問紙 | 18の質問項目、ADHDスクリーニングだがASDとの併存の参考にも | ASDの直接的な診断ではない、ADHDの傾向 |
その他簡易テスト | 自閉スペクトラム症の簡易的なチェック | 質問紙 | 質問数が少ないもの(10問程度)から詳細なもの(50問程度)まで様々 | 精度は参考程度、医学的診断ではない |
アスペルガー症候群(ASD)の主な特徴
アスペルガー症候群(ASD)の特性は、年齢や性別、環境によって現れ方が異なります。
大人に見られるアスペルガー症候群の特徴
大人の場合、社会生活を送る中で特性による困難さを自覚することがあります。主な特徴として、コミュニケーション面と行動面が挙げられます。
コミュニケーション・対人関係の特性
相手の表情や声のトーンから気持ちを読み取ることが難しい
比喩や皮肉、冗談が通じにくい、言葉通りに受け取ってしまう
曖昧な表現の理解が苦手
自分の関心のあることを一方的に話し続けることがある
暗黙のルールや場の空気を読むことが苦手
視線を合わせるのが苦手、または不自然になることがある
雑談が苦手
限定的な興味・こだわり・反復行動の特性
特定の分野や物事に対して、非常に強い興味やこだわりを持つ
興味の対象について、膨大な知識を持つことがある
手順や日課、物の配置などが決まっていないと不安になる、予定外の変更に対応するのが苦手
感覚過敏(特定の音、光、匂い、味、触覚などへの敏感さ)または感覚鈍麻がある
特定の物を集めたり、同じ行動を繰り返したりすることがある
子供・中学生に見られるアスペルガー症候群の特徴
子供や中学生の場合、集団生活の中で特性が目立つことがあります。
友達と上手く関われず、一人で遊ぶことを好む
ごっこ遊びやルールのある遊びが苦手
興味のあることには熱中するが、それ以外のことには関心を示さない
特定の物事への強いこだわりがあり、変更や中断を嫌がる
感覚過敏により、学校の特定の音や光、給食の特定の食材などが苦手
言葉の発達に遅れはないものの、言葉の裏の意味を理解するのが難しい
マイペースで、集団行動が苦手
女性に見られるアスペルガー症候群の特性
女性のアスペルガー症候群(ASD)は、男性と比較して特性が目立ちにくく、周囲に気づかれにくい、あるいは本人も気づかずに過ごしているケースがあると言われています。
受動的で大人しく、周囲に合わせようと努力する傾向がある
想像力豊かで、空想の世界に浸ることが多い
特定の人間関係に強く依存する傾向がある
コミュニケーションの困難さを、模倣や学習によってカバーしようとすることがある
感覚過敏が強い場合がある(特に触覚や嗅覚など)
不安や抑うつなどの二次的な問題を抱えやすい
これらの特徴はあくまで一般的な傾向であり、全ての人に当てはまるわけではありません。
「隠れアスペルガー」とはどのような状態か
「隠れアスペルガー」という言葉は医学的な診断名ではありませんが、アスペルガー症候群(ASD)の特性を持ちながらも、本人の努力や周囲の環境によってその特性が目立たず、診断に至っていない状態を指すことがあります。
大人になってから、仕事や人間関係で困難さを感じて初めて気づくケースも少なくありません。
軽いアスペルガー症候群の特徴
「軽いアスペルガー」という表現も正式な診断名ではありません。
アスペルガー症候群(ASD)の特性の現れ方には幅があり、日常生活への支障が比較的少ない場合を指して使われることがあります。
しかし、本人にとっては深刻な悩みを抱えていることもあり、程度に関わらず支援が必要な場合があります。
アスペルガー症候群(ASD)における喋り方の特徴
アスペルガー症候群(ASD)の方の喋り方には、以下のような特徴が見られることがあります。
一本調子で抑揚が少ない
早口、またはゆっくりとした話し方
独特の言葉遣いや言い回しをする、書物のような堅苦しい言葉遣いをすることがある
相手の反応に関わらず、自分の関心のあることを一方的に話し続ける
間合いや会話のキャッチボールが苦手
これらの特徴も個人差が大きく、全ての方に当てはまるわけではありません。
アスペルガー症候群(ASD)とIQについて
アスペルガー症候群(ASD)と知能指数(IQ)には直接的な関連はありません。
IQが高い人もいれば、平均的な人、低い人もいます。
かつては「知的障害を伴わない自閉症」としてアスペルガー症候群が診断されていましたが、現在の診断基準(DSM-5)では、自閉スペクトラム症(ASD)として統合され、知的障害の有無は別途評価されます。
医療機関でのアスペルガー症候群(ASD)診断方法
アスペルガー症候群(ASD)の診断は、医師による問診や行動観察、心理検査などを総合的に評価して行われます。
診断基準(DSM-5)について
現在、アスペルガー症候群(ASD)を含む発達障害の診断は、主にアメリカ精神医学会が作成した『DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)』に基づいて行われます。
DSM-5では、「社会的コミュニケーションおよび対人的相互作用における持続的な欠陥」と「限定された反復的な様式の行動、興味、活動」の2つの特性が、発達早期から存在し、日常生活に大きな支障をきたしている場合に診断されます。
診断を受ける際の流れ
1. **予約**: まず、専門の医療機関(精神科、心療内科、発達障害専門外来など)に電話やインターネットで予約をします。
2. **初診**: 医師による問診が行われます。生育歴、現在の困りごと、症状、家族歴などが詳しく聞かれます。必要に応じて、心理検査や他の検査の予約が取られます。
3. **検査**: 知能検査(WAIS、WISCなど)、発達検査、行動評価尺度などの心理検査が行われることがあります。これらは、本人の特性を客観的に把握するために用いられます。
4. **診断・結果説明**: 問診や検査結果を総合的に評価し、医師が診断を下します。診断結果とともに、今後の対応や受けられる支援についての説明があります。
医療機関によっては、診断までに数ヶ月かかる場合もあります。
専門医による診察と検査内容
専門医は、以下のような情報を総合的に評価して診断を行います。
問診: 本人および可能であれば家族や近しい人から、幼少期からの様子、現在の生活状況、困りごとなどを詳しく聞き取ります。
行動観察: 診察中のコミュニケーションの様子、行動の特徴などを観察します。
心理検査・発達検査:
知能検査: WAIS(成人用)、WISC(児童用)などで、得意なこと・苦手なことなど認知特性を把握します。
発達検査: PARS、ADOS-2、ADI-Rなど、自閉スペクトラム症の特性を評価する検査があります。
その他: 必要に応じて、性格検査や注意機能に関する検査なども行われることがあります。
これらの検査は、診断の補助として、また本人の特性理解や支援計画の立案に役立てられます。
アスペルガー症候群(ASD)に関する診断・相談先
アスペルガー症候群(ASD)かもしれないと感じたら、一人で抱え込まずに専門機関に相談することが大切です。
精神科・心療内科などの医療機関
アスペルガー症候群(ASD)を含む発達障害の診断・治療を専門とする精神科や心療内科、児童精神科(子供の場合)を受診しましょう。
大学病院や総合病院の専門外来、発達障害専門クリニックなどがあります。
かかりつけ医がいる場合は、まず相談して紹介状をもらうのも良いでしょう。
発達障害者支援センター等の専門機関
各都道府県や政令指定都市には、発達障害者支援センターが設置されています。
ここでは、発達障害に関する相談支援、発達支援、就労支援、情報提供などを行っています。
医療機関を受診する前の相談や、診断後の生活に関する相談も可能です。
その他、地域の保健センターや相談支援事業所なども相談窓口となります。
まとめ:気になる場合は専門家へ相談を
この記事では、アスペルガー症候群(ASD)の自己診断テストや特徴、医療機関での診断方法、相談先について解説しました。
インターネット上の情報はあくまで参考とし、自己判断で結論を出すことは避けるべきです。
もし、ご自身やお子さん、身近な人にアスペルガー症候群(ASD)の特性が見られ、日常生活で困りごとを感じている場合は、勇気を出して専門医や専門機関に相談してみましょう。
適切な診断とサポートを受けることで、より生きやすくなるためのヒントが見つかるはずです。
免責事項: この記事はアスペルガー症候群(ASD)に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスに代わるものではありません。
診断や治療については、必ず専門の医師にご相談ください。