パニック障害は、突然理由もなく激しい不安や恐怖に襲われる病気です。
この症状は「パニック発作」と呼ばれ、動悸や息苦しさ、めまいといった身体的な症状と共に現れることが特徴です。
発作は通常数分から長くても30分以内でおさまりますが、非常に強い苦痛を伴い、「このまま死んでしまうのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」といった強い恐怖感を抱かせます。
この記事では、パニック障害の核となるパニック発作の具体的な症状から、診断基準、初期症状、対処法までを詳しく解説し、症状に不安を感じる方が適切な理解と対応をするための一助となることを目指します。

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パニック発作の主な症状
パニック発作は、突然発生する強烈な恐怖感とそれに伴う様々な身体的・精神的な症状の集合体です。
予期せぬ状況で起こることが多く、特定の引き金がない場合もあります。
発作中、患者さんは非常に強い苦痛を感じ、しばしば「死の恐怖」や「気が狂うのではないか」といった感覚に襲われます。
パニック発作時の身体的症状
パニック発作時には、自律神経の過活動によって引き起こされる多様な身体症状が現れます。
これらの症状は非常にリアルで、心臓病や呼吸器疾患などの重篤な病気と誤解されることも少なくありません。
動悸、心拍数の増加
心臓がドキドキと速く打つ、心臓がバクバクするという感覚は、パニック発作で最もよく見られる症状の一つです。
まるで心臓が胸から飛び出しそうに感じることもあります。
これは、体が危険を察知して「闘争か逃走か(Fight or Flight)」の反応に入り、筋肉や脳に酸素を供給するために心拍数を急激に上げるために起こります。
発汗
急に大量の汗をかくことも一般的な症状です。
手に汗を握る程度から、全身が汗びっしょりになることもあります。
これも自律神経の反応であり、体温調節や緊張状態の現れとして起こります。
身震いまたは震え
手足や全身が小刻みに震える、あるいは大きく身震いするといった症状が現れることがあります。
筋肉が緊張したり、体温調節機能が一時的に乱れたりすることで起こると考えられています。
息切れ感または息苦しさ
息を十分に吸えない、または吐き出せない感覚に襲われます。
まるで酸素が足りないような、溺れているような苦しさを感じることがあります。
これは過呼吸や、呼吸筋の緊張によって引き起こされることが多いです。
窒息感
喉が締め付けられるような感覚や、物が詰まったような感覚に襲われ、窒息してしまうのではないかという強い恐怖を感じます。
これも呼吸器系の過敏な反応や、喉の筋肉の緊張が原因と考えられます。
胸痛または胸部不快感
胸の中心部や左側などに痛みや圧迫感、締め付けられるような不快感を感じることがあります。
心臓発作と勘違いして救急搬送されるケースも少なくありません。
これは胸郭周辺の筋肉の緊張や、心臓への負担感から生じることがありますが、発作によるものであれば検査で異常が見られないのが一般的です。
嘔気または腹部の不快感
吐き気がしたり、胃のあたりがむかむかしたり、腹痛を感じたりすることがあります。
消化器系の働きも自律神経によってコントロールされているため、発作時の緊張が胃腸の不調として現れることがあります。
めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
地面が揺れているように感じたり、立っていられず倒れてしまうのではないかと感じたり、意識が遠のくような感覚に襲われます。
これは、過呼吸による脳の血流の変化や、極度の緊張による平衡感覚の乱れなどによって起こると考えられています。
しびれ感またはうずき感
手足や顔の周りなどがピリピリとしびれたり、うずいたりする感覚が現れることがあります。
これも過呼吸によって血液中の二酸化炭素濃度が低下し、末梢神経の働きに影響を与えることで起こる症状の一つです。
熱感または悪寒
急に体が熱くなったり、逆に寒気を感じたりすることがあります。
体温調節機能が一時的に乱れることで生じると考えられています。
パニック発作時の精神的症状
身体的な症状に加え、パニック発作時には強烈な精神的な症状も現れます。
これらの症状は、発作の恐怖をさらに増幅させます。
非現実感または離人感
周囲の世界が現実のものではないように感じたり(非現実感)、自分の体が自分のものでないように感じたり、傍観者のように自分を見ているような感覚に陥ったりします(離人感)。
極度のストレスや恐怖に対する自己防衛的な反応として起こると考えられています。
コントロールを失うことへの恐怖または気が狂うことへの恐怖
発作中に、自分の行動や思考をコントロールできなくなってしまうのではないか、精神的におかしくなってしまうのではないかという強い恐れを抱きます。
これは発作中の異常な身体感覚や思考の混乱から生じることが多いです。
死ぬことへの恐怖
胸痛や息苦しさなどの身体症状が非常に強いため、「このまま心臓が止まって死んでしまう」「息ができなくなって死ぬ」といった差し迫った死の恐怖を感じます。
これはパニック発作の最も特徴的で苦痛を伴う症状の一つです。
パニック発作は、これらの13の症状のうち、通常4つ以上が突然現れ、10分以内にピークに達するとされています。
発作の頻度や継続時間は個人差が大きく、数分で収まることもあれば、より長く続くこともあります。
発作後は強い疲労感や脱力感を感じることがあります。
パニック症(パニック障害)のその他の症状
パニック障害は、単にパニック発作が起こるだけでなく、その発作によって引き起こされる別の種類の不安や行動の変化を伴うことがあります。
これらはパニック障害の診断において重要な要素となります。
予期不安とは
予期不安とは、「またパニック発作が起きたらどうしよう」という、将来の発作に対する持続的な恐れや不安のことです。
一度でも強いパニック発作を経験すると、その強烈な体験が心に残り、「次はいつ起こるのだろうか」「どんな場所で起こるのだろうか」といった不安が頭から離れなくなります。
この予期不安は、常に漠然とした不安感として存在することもあれば、特定の状況や場所で強まることもあります。
予期不安が強くなると、日常生活に支障をきたすようになり、後に述べる広場恐怖につながることもあります。
例えば、過去に電車の中で発作を起こした人は、「また電車の中で発作が起きたらどうしよう」と考えるだけで電車に乗るのが怖くなり、電車を避けるようになることがあります。
広場恐怖とは
広場恐怖は、パニック発作やそれに似た症状が起きた場合に、「すぐに逃げられない」「助けが得られないかもしれない」と感じるような場所や状況を回避するようになる症状です。
文字通りの「広場」だけでなく、以下のような状況が含まれます。
- 公共交通機関(電車、バス、飛行機など)
- 広い場所(広場、駐車場、橋の上など)
- 閉鎖された場所(映画館、劇場、エレベーター、トンネルなど)
- 列に並ぶ、人ごみの中にいる
- 自宅から一人で遠く離れる
これらの場所や状況でパニック発作が起きることへの恐れから、そのような場所を避けたり、避けられない場合は誰か信頼できる人に付き添ってもらわないと行けなくなったりします。
広場恐怖が進むと、外出そのものが困難になり、最終的には自宅に引きこもってしまうケースもあります。
予期不安と広場恐怖は密接に関連しており、パニック障害の日常生活への影響を大きくする要因となります。
パニック障害の初期症状・前兆となる症状
パニック障害は、通常、突然のパニック発作で始まります。
しかし、初めての本格的な発作が起こる前に、漠然とした体の不調や軽い不安感があったという人もいます。
具体的な初期症状や前兆は個人によって異なりますが、以下のようなものが見られることがあります。
- 漠然とした体の不調: 原因不明の疲労感、肩こり、頭痛、めまい、胃の不快感などが続く。
- 軽い不安感: 将来に対する漠然とした不安、落ち着かない感じ、些細なことが気になるといった傾向が強まる。
- 特定の状況での違和感: 人ごみや電車など、以前は平気だった場所で少し緊張したり、動悸を感じたりすることがある。
- 睡眠の変化: なかなか寝付けない、夜中に目が覚める、寝ても疲れがとれないなどの睡眠障害。
- 過呼吸の傾向: 少し動いただけでも息切れしやすくなる、ため息が増えるなど。
初めてのパニック発作は、多くの場合、全く予期せぬ状況で突然起こります。
例えば、電車に乗っている時、会議中、買い物中にレジに並んでいる時、あるいは自宅でリラックスしている時などに起こることがあります。
この「突然起こる」という性質が、パニック障害の予期不安を強くする原因となります。
パニック発作を一度経験した後、数週間から数ヶ月の間に再び発作が起こり、予期不安や広場恐怖が伴うようになると、パニック障害と診断される可能性が高まります。
もし、上記のような漠然とした不調や不安があり、突然の強い動悸や息苦しさといった発作的な症状を経験した場合は、パニック障害の可能性も考えて医療機関に相談することが重要です。
パニック障害の症状チェックリスト
ご自身の症状がパニック障害によるものかどうか、気になる方もいらっしゃるかもしれません。
以下に、診断の際に考慮される代表的な症状をチェックリスト形式で示します。
ただし、これはあくまで目安であり、自己診断はできません。
正確な診断は必ず医師によって行われます。
診断基準となる症状(DSM-5準拠)
精神疾患の診断には、世界的に広く用いられている『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版(DSM-5)などの診断基準が参考にされます。
パニック症(パニック障害)の診断基準には、以下のような項目が含まれます(一部を抜粋・要約)。
A. 以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が突然出現し、10分以内にピークに達するような、予期しないパニック発作が繰り返し起こっていること。
- 動悸、心拍数の増加
- 発汗
- 身震いまたは震え
- 息切れ感または息苦しさ
- 窒息感
- 胸痛または胸部不快感
- 嘔気または腹部の不快感
- めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ
- しびれ感またはうずき感
- 熱感または悪寒
- 非現実感または離人感
- コントロールを失うことへの恐怖または気が狂うことへの恐怖
- 死ぬことへの恐怖
B. 少なくとも1回の発作の後に、以下のいずれか一つ(または両方)が1ヶ月以上続いていること。
- 別の発作を起こすのではないかという持続的な懸念、またはその結果(例:コントロールを失う、心臓発作を起こす、気が狂う)についての心配。
- 発作に関連した行動の有意な変化(例:発作が起きそうな場所や状況を避ける行動)。
C. この障害が、物質(例:薬物乱用、投薬)または他の医学的疾患(例:甲状腺機能亢進症、心肺疾患)の生理学的影響によるものではないこと。
D. この障害が、他の精神疾患(例:社会不安症の社会状況、強迫症の強迫観念、外傷後ストレス障害の外傷的出来事に関連する刺激)によってはうまく説明されないこと。
これらの基準を満たすかどうかを判断するためには、医師による詳細な問診や検査が必要です。
もし、上記の症状に複数当てはまる場合や、繰り返し強い発作的な不安や体の不調を経験している場合は、専門医に相談してみることを強くお勧めします。
セルフチェックリスト(あくまで目安)
以下の項目にどの程度当てはまるか、ご自身の状態を振り返ってみましょう。
- 突然、激しい動悸や息苦しさに襲われることがある。
- その際に、「このまま死んでしまうのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」という強い恐怖を感じる。
- 胸の痛みや締め付けられるような不快感を感じることがある。
- めまいやふらつき、気が遠くなるような感覚がある。
- 手足や顔の周りがしびれたり、ピリピリしたりすることがある。
- これらの症状は、特に理由もなく突然起こる。
- 症状が出ると、10分以内には最も強くなることが多い。
- また同じような発作が起きるのではないかと、常に不安を感じている(予期不安)。
- 発作が起きそうな場所(電車、人ごみ、閉鎖空間など)を避けるようになった(広場恐怖)。
- これらの症状のために、仕事や学校、外出など、日常生活に支障が出ている。
これらの項目に多く当てはまる場合、パニック障害の可能性も考えられます。
しかし、繰り返しになりますが、これは診断ではありません。
専門医による正確な診断が必要です。
パニック障害の症状と似た病気(鑑別疾患)
パニック発作の症状は非常に多様で、身体的な症状が目立つため、他の病気と間違われやすい側面があります。
正確な診断のためには、パニック障害の症状が他の医学的疾患や精神疾患によるものではないことを確認する、いわゆる「鑑別診断」が非常に重要です。
パニック障害と間違われやすい主な病気には、以下のようなものがあります。
- 心臓疾患: 不整脈、狭心症など。
動悸や胸痛は心臓病の症状とよく似ています。
しかし、心臓病の場合、運動時や特定の動作時に症状が出やすいのに対し、パニック発作は安静時や予期せぬ時に起こることが多いです。
心電図やその他の循環器系の検査で区別します。 - 呼吸器疾患: 気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など。
息切れや息苦しさは呼吸器疾患でも見られます。
呼吸機能検査などで区別します。
過換気症候群はパニック発作に伴う症状としてよく見られますが、パニック障害自体とは異なります。 - 内分泌疾患: 甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫など。
これらの病気は、動悸、発汗、震えなどの症状を引き起こすことがあります。
血液検査などでホルモンレベルを測定し区別します。 - 神経疾患: てんかん、めまいを引き起こす病気など。
突然意識を失うような感覚やめまいは、神経系の病気と似ていることがあります。
脳波検査やMRIなどで区別します。 - 低血糖: 血糖値が急激に下がると、動悸、震え、発汗、めまいなどの症状が出ることがあります。
血糖値測定で区別します。 - 薬物の副作用や離脱症状: 特定の薬物(例:カフェイン、アンフェタミン)の摂取や、アルコールや特定の薬剤の急な中止によって、パニック発作に似た症状が出ることがあります。
- 他の不安症:
- 特定恐怖症: 特定の対象(例:ヘビ、高所)への恐怖。
パニック発作は起こり得るが、特定の対象に限定される。 - 社交不安症: 他者の前で恥ずかしい思いをすることへの恐怖。
パニック発作は公の場での活動に関連して起こり得るが、社会的な状況に限定される。 - 全般性不安症: さまざまなことに対する持続的で過剰な不安。
パニック発作のように突発的で激しい症状よりも、慢性的な不安が特徴。 - 外傷後ストレス障害(PTSD): トラウマ体験に関連する再体験、回避、過覚醒。
パニック発作はトラウマに関連する刺激によって誘発されることがある。 - 強迫症(OCD): 強迫観念(頭から離れない考え)と強迫行為(繰り返しの行動)。
パニック発作は強迫観念や行為に関連して起こることがあるが、病気の中心症状ではない。
- 特定恐怖症: 特定の対象(例:ヘビ、高所)への恐怖。
このように、パニック発作と似た症状を示す病気は多岐にわたります。
そのため、パニック発作を経験した場合は、まずは内科などで身体的な病気の可能性を調べることが一般的です。
そこで異常が見られない場合に、精神科や心療内科の受診が勧められます。
専門医は、患者さんの詳しい病歴、症状の性質、経過などを丁寧に聞き取り、必要に応じて心理検査なども行い、他の病気を除外した上でパニック障害の診断を行います。
自己判断で「パニック障害だ」と決めつけず、専門家の意見を仰ぐことが重要です。
症状が現れた時の対処法
パニック発作は非常に苦しい体験ですが、適切な対処法を知っておくことで、発作中の苦痛を和らげたり、発作を乗り切ったりすることが可能です。
また、日頃からできる予防的な対処法も存在します。
パニック発作時の具体的な対処法
パニック発作が起きた時は、まず「これはパニック発作であり、死ぬことはない」と自分に言い聞かせることが重要です。
発作は必ず数分でピークを過ぎ、おさまります。
そのことを理解しているだけでも、恐怖感を多少なりとも軽減できます。
具体的な対処法としては、以下のようなものがあります。
- 安全な場所に移動する:
もし可能であれば、人目が気にならない、座れる場所など、少しでも落ち着ける場所に移動しましょう。 - ゆっくりと呼吸する:
パニック発作中は過呼吸になりがちです。
意識的にゆっくりと、腹式呼吸を試みましょう。
鼻からゆっくり息を吸い込み、お腹を膨らませ、口からゆっくりと、吸うときの倍くらいの時間をかけて息を吐き出します。
例えば、4秒かけて吸い、8秒かけて吐く、といったリズムを意識します。
紙袋を使った過呼吸の対処法は現在では推奨されていません。 - 感覚に意識を向ける(グラウンディング):
今いる場所の五感に意識を集中させ、現実世界との繋がりを取り戻す方法です。- 目に見えるもの5つを挙げる。
- 体に触れているもの4つ(椅子の感触、服の肌触りなど)を感じる。
- 聞こえる音3つに耳を澄ませる。
- 匂い2つに意識を向ける。
- 味わえるもの1つを思い出す(ミントタブレットを舐めるなど)。
これにより、発作中の思考の渦から意識を逸らし、現実に戻ることができます。
- 発作を受け入れる:
「発作が起きても大丈夫」「これは一時的なものだ」と、症状そのものに抵抗せず、やり過ごす気持ちを持つことも有効です。 - 誰かに助けを求める:
もし近くに信頼できる人がいれば、「気分が悪い」「落ち着きたい」などと伝え、そばにいてもらうだけでも安心できます。
パニック障害であることを理解している人なら、より適切なサポートが得られるでしょう。 - 注意をそらす:
スマートフォンを見る、簡単な計算をする、歌を口ずさむなど、意識を発作からそらすような行動も有効な場合があります。
重要なのは、これらの対処法を日頃から練習しておくことです。
発作中に初めて試みても、混乱していてうまくできないことがあります。
落ち着いている時に練習し、自分に合った方法を見つけておきましょう。
医療機関への相談を検討すべき症状の目安
パニック発作は誰にでも起こりうる一時的なものである場合もありますが、以下のような場合は、パニック障害の可能性を考え、医療機関(精神科、心療内科)への相談を検討すべきでしょう。
- パニック発作を繰り返す: 予期しないパニック発作が複数回起こる場合。
- 予期不安が強い: 「また発作が起きるのではないか」という不安が強く、日常生活に影響が出ている場合。
- 特定の場所や状況を避けるようになる(広場恐怖): 電車に乗れない、人ごみに行けない、一人で外出できないなど、行動範囲が狭まっている場合。
- 症状によって仕事、学業、対人関係などに支障が出ている。
- 体の不調が続き、他の病気ではないと診断されたが原因が分からない。
- 「もしかしてパニック障害かも?」という不安が強い。
特に、予期不安や広場恐怖によって生活が制限されている場合は、早めに専門家へ相談することで、症状の悪化を防ぎ、回復への道が開けます。
パニック障害の症状でお悩みの方は専門家へ相談を
パニック障害は、適切な治療によって多くの人が症状を改善させ、元の生活を取り戻すことができる病気です。
もしこの記事を読んで、ご自身の症状がパニック障害に当てはまるかもしれないと感じたり、パニック発作や強い不安に悩まされていたりする場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談することを強くお勧めします。
相談できる専門家としては、精神科医や心療内科医が挙げられます。
医師は、あなたの症状を詳しく聞き取り、他の病気ではないことを確認した上で、診断に基づいた適切な治療法を提案してくれます。
パニック障害の主な治療法には、以下のようなものがあります。
- 薬物療法: 抗うつ薬(SSRIなど)や抗不安薬が用いられます。
これらの薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、パニック発作や予期不安を軽減する効果が期待できます。
適切に使用すれば、依存などのリスクを最小限に抑えることができます。 - 精神療法(心理療法):
- 認知行動療法(CBT): パニック発作や不安に対する誤った認知(考え方)を修正し、回避行動などの不適切な行動パターンを変えていく治療法です。「発作が起きても安全である」という認識を深め、発作を恐れずに不安な状況に少しずつ慣れていく練習(暴露療法)などが含まれます。
- 心理教育: パニック障害についての正しい知識を学び、病気や症状への理解を深めることで、不安を軽減し、対処法を身につけます。
これらの治療法は単独で行われることもあれば、組み合わせて行われることもあります。
どちらの治療法が適しているかは、症状の程度や患者さんの希望などによって異なります。
医師とよく相談し、あなたに合った治療計画を立てることが重要です。
また、医療機関以外にも、精神保健福祉センターや、パニック障害患者の会などの自助グループ、民間のカウンセリングサービスなど、様々な相談窓口があります。
すぐに医療機関を受診するのに抵抗がある場合は、まずはこのような窓口に相談してみるのも良いでしょう。
パニック障害は決して珍しい病気ではありません。
そして、適切なサポートがあれば必ず乗り越えられるものです。
勇気を出して一歩を踏み出し、専門家の手を借りることで、パニック発作や不安から解放され、穏やかな日々を取り戻すことができるはずです。
免責事項:本記事は、パニック障害の症状に関する一般的な情報提供を目的としています。
記事内の情報は、医学的な診断や助言に代わるものではありません。
ご自身の症状について不安がある場合は、必ず医療機関を受診し、専門医の診断と指導を受けてください。
自己判断による対応は危険を伴う可能性があります。