近年、「心の不調」について語られることが増え、精神的な健康への関心が高まっています。「もしかして、自分も心の病気かもしれない…」「最近なんだか調子が悪いけど、これは何かのサイン?」と感じている方もいるかもしれません。インターネット上には「心の病気 種類 診断テスト」といった情報が多くありますが、自分の状態を知る上で、どのような病気があるのか、そして簡易的なチェックがどのように役立つのかを正しく理解することが大切です。
この記事では、代表的な心の病気の種類とその症状、そしてご自身の精神状態を簡易的にチェックする方法について解説します。ただし、これはあくまで目安であり、正確な診断は専門家が行う必要があります。あなたの心の状態を理解し、必要に応じて適切なサポートを受けるための一助となれば幸いです。

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知っておきたい!心の病気の主な種類
心の病気、あるいは精神疾患と呼ばれるものは多岐にわたります。これらの病気は、心の働きや感情、思考、行動に影響を与え、日常生活に様々な困難をもたらすことがあります。一口に「心の病気」といっても、その原因や症状は様々です。
ここでは、比較的多くの方が耳にする機会がある、代表的な精神疾患をいくつかご紹介します。それぞれの病気について、主な特徴や症状を知ることで、ご自身の状態や周囲の人の状態を理解する手がかりになるでしょう。心の病気についてさらに詳しく知りたい場合は、厚生労働省が運営する働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』に、うつ病、パニック障害、統合失調症など、様々な疾患に関するキーワード一覧が掲載されており、参考になります。
代表的な精神疾患一覧
精神疾患は、国際的な診断基準(DSM-5やICD-10/11など)によって分類されます。ここでは、その中でも特に代表的なものをピックアップして解説します。
うつ病
うつ病は、気分がひどく落ち込んだり、何をしても楽しめなくなったりする精神疾患です。単なる一時的な落ち込みとは異なり、こうした症状が長期間(2週間以上)続き、日常生活に支障をきたすのが特徴です。
主な症状:
- 気分の落ち込み: ゆううつな気分が続く、悲しい、虚しいといった感情。
- 興味・喜びの喪失: 以前は楽しかったことに関心が持てなくなる。
- 食欲や体重の変化: 食欲がなくなって体重が減る、または逆に食欲が増して体重が増える。
- 睡眠障害: 眠れない(不眠)、寝すぎる(過眠)、朝早く目が覚めるなど。
- 疲労感・気力の低下: 体がだるい、疲れやすい、何もやる気が起きない。
- 精神運動性の焦燥または制止: 落ち着かずそわそわする、または動きが鈍くなる。
- 罪悪感・無価値感: 自分を責める、自分には価値がないと感じる。
- 思考力・集中力の低下: 物事を考えられない、集中できない、決断できない。
- 死についての考え: 死にたいと思う、自殺を考える。
うつ病は脳の機能障害と考えられており、ストレスや遺伝的な要因、性格などが複雑に関係して発症すると言われています。適切な治療(休養、薬物療法、精神療法など)によって回復が期待できる病気です。
適応障害
適応障害は、特定のストレス(人間関係、仕事、環境の変化など)が原因で、情緒面や行動面に様々な症状が現れ、社会生活に支障をきたす状態です。ストレスの原因から離れると症状が改善するのが特徴ですが、ストレスが続くと症状も継続したり、うつ病などに移行したりすることもあります。
主な症状:
- 情緒的な症状: 不安、抑うつ気分、涙もろさ、イライラ、神経過敏など。
- 行動的な症状: 無断欠勤、遅刻、暴力的・無謀な行動、引きこもりなど。
- 身体的な症状: 頭痛、腹痛、倦怠感、睡眠障害など(これらの身体症状が先行することもある)。
適応障害は、ストレスとその人の対処能力のバランスが崩れることで発症すると考えられています。原因となるストレスを特定し、それから距離を置く、ストレスへの対処法を学ぶ、といったアプローチが重要になります。
不安障害
不安障害は、過剰な不安や恐怖が持続し、日常生活に大きな影響を与える病気の総称です。様々なタイプがあり、代表的なものに全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害、特定の恐怖症などがあります。ここでは、全般性不安障害と社交不安障害について簡単に触れます。
全般性不安障害:
仕事や健康、家族のことなど、様々なことに対して根拠なく過剰な心配や不安を感じ、それがコントロールできなくなる病気です。「もし〇〇になったらどうしよう」といった考えが次々と浮かび、落ち着かない、イライラする、疲労感、集中困難、筋肉の緊張、睡眠障害といった身体症状を伴うこともあります。
社交不安障害:
人前で話す、初対面の人と会う、電話応対をするなど、他人から注目される可能性のある状況に対して強い恐怖や不安を感じる病気です。自分が恥をかいたり、失敗したり、他人に不快な思いをさせたりすることを恐れます。この不安のために、そうした状況を避けたり、耐え忍んだりすることで、社会生活に支障をきたします。赤面、発汗、動悸、震え、吐き気などの身体症状を伴うこともあります。
不安障害は、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや、過去の経験、性格などが関連していると考えられています。薬物療法や認知行動療法などが有効な治療法とされています。
パニック障害
パニック障害は、予期しないパニック発作を繰り返し起こす病気です。パニック発作とは、突然の強い不安や恐怖とともに、動悸、息切れ、めまい、発汗、吐き気などの身体症状が現れ、「死ぬのではないか」「気が狂うのではないか」といった強い恐怖を感じる状態です。発作は通常数分から長くても30分程度で収まりますが、発作を繰り返すうちに「また発作が起きるのではないか」という予期不安が生じ、発作が起きやすい場所(電車内、人混みなど)を避けるようになる(広場恐怖)ことも少なくありません。
主な症状:
- パニック発作: 突然の動悸、発汗、体の震え、息苦しさ、胸の痛み、吐き気、めまい、現実感の喪失、死への恐怖、気が変になる恐怖など。
- 予期不安: 「また発作が起きるのではないか」という持続的な心配。
- 広場恐怖: 発作が起きた時に逃げられない場所や、助けが得られない場所(電車、バス、人混み、広い場所など)を避けるようになる。
パニック障害も、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが関係していると考えられています。薬物療法(SSRIなど)や認知行動療法によって、多くの人が症状の改善を実感できます。
発達障害
発達障害は、生まれつきの脳の機能の偏りによって、特定の分野(コミュニケーション、社会性の理解、学習、注意、行動のコントロールなど)に特性が現れる障害です。病気というよりは、その人の「特性」や「個性」として捉えられることが増えています。代表的なものに、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などがあります。成人になってから診断されるケースも少なくありません。
自閉スペクトラム症(ASD):
対人関係や社会的コミュニケーションの困難、限定された興味やこだわり、感覚の過敏さ・鈍感さなどの特性があります。場の空気を読むのが苦手、冗談が通じにくい、特定の物事への強いこだわり、特定の音や光に敏感(または鈍感)といった形で現れることがあります。
注意欠如・多動症(ADHD):
不注意(集中力が続かない、忘れ物が多い、気が散りやすい)や多動性・衝動性(じっとしていられない、落ち着きがない、衝動的な行動をとる、順番を待てない)といった特性があります。これらの特性は子どもの頃から見られますが、成人になると多動性は目立たなくなる一方で、不注意や衝動性、計画性の問題が仕事や日常生活で困難を引き起こすことがあります。
発達障害は、その特性によって生きづらさを感じることがありますが、自身の特性を理解し、環境調整や適切なサポート(療育、トレーニング、必要に応じて薬物療法など)を受けることで、社会生活をよりスムーズに送ることが可能になります。
統合失調症
統合失調症は、思考や知覚、感情をまとめる機能が障害される病気です。現実とそうでないものを区別しにくくなる陽性症状(幻覚、幻聴、妄想など)や、意欲の低下、感情表現の乏しさ、引きこもりなどの陰性症状が現れることがあります。思春期から青年期にかけて発症することが多いですが、中年期以降に発症することもあります。
主な症状:
- 陽性症状:
- 幻覚・幻聴: 実際にはないものが見えたり聞こえたりする(特に「悪口が聞こえる」といった幻聴が多い)。
- 妄想: 根拠がないのに「誰かに見張られている」「嫌がらせをされている」などと思い込む。
- 陰性症状: 感情の起伏が少なくなる、意欲がなくなる、会話が少なくなる、身だしなみに気を遣わなくなる、引きこもる。
- 認知機能障害: 記憶力、集中力、計画力などの低下。
統合失調症の原因はまだ完全に解明されていませんが、脳内の神経伝達物質の異常や遺伝的な要因、環境要因などが複雑に関係していると考えられています。早期発見と適切な治療(薬物療法、リハビリテーションなど)によって、症状をコントロールし、社会生活を送ることが十分に可能です。
これらの病気はあくまで代表例であり、他にも双極性障害、摂食障害、パーソナリティ障害、依存症など、様々な心の病気があります。重要なのは、特定の症状がどの病気に「完全に」当てはまるかではなく、自分がどのような困難を抱えているのか、どのような不調を感じているのか、という点です。
今の精神状態をチェックできる診断テスト
「自分は大丈夫だろうか」「もしかして、何かの病気のサインなのかな?」と感じているとき、簡易的な診断テスト(セルフチェックリスト)は、自身の心の状態に気づくための一つのきっかけになります。
セルフチェックの重要性
セルフチェックは、医療機関を受診する前の段階で、ご自身の心の状態を客観的に振り返る助けとなります。
- 気づき: 日常生活の中で見過ごされがちな「いつもと違う変化」に気づくきっかけになります。
- 言語化: 漠然とした「調子の悪さ」を、具体的な症状として捉え、言語化する練習になります。
- 受診の検討: チェックリストに多く当てはまる場合、専門家への相談や受診を検討する目安になります。
ご自身の状態を知るための簡易的な診断テストは、オンライン上にも多数公開されています。例えば、常総市のWebサイトで提供されている簡易ストレス度チェックリストや、川田病院によるうつ病や発達障害のセルフチェック、特定の非営利団体が提供するうつ病診断テストなどがあります。これらのチェックリストは、あくまでご自身の心の状態に気づくための一つのきっかけとして活用してください。
ただし、重ねてお伝えしますが、セルフチェックの結果はあくまで「傾向」を示すものであり、医学的な診断とは異なります。後述する「自己診断の限界」を理解した上で活用することが重要です。
【簡易テスト】心の不調チェックリスト(心が壊れているかチェック)
以下のリストは、様々な精神疾患に共通したり、特定の疾患でよく見られたりする代表的な症状をまとめた簡易チェックリストです。最近(例えば過去2週間~1ヶ月など)のあなたの状態に最もよく当てはまるものを選んでみてください。「心が壊れているかチェック」という強い言葉で表現されるほどのつらい状態にあるかどうか、ご自身の感覚を信じてチェックしてみましょう。
【簡易チェックリスト】
チェック項目 | 全くあてはまらない | 少しあてはまる | かなりあてはまる |
---|---|---|---|
1. 気分がひどく落ち込んでいる、ゆううつな気分が続いている | □ | □ | □ |
2. 以前は楽しかったことに関心が持てず、何に対しても喜びを感じない | □ | □ | □ |
3. 普段より疲れやすく、体がだるく感じる | □ | □ | □ |
4. 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう | □ | □ | □ |
5. 食欲がない、体重が減った、または逆に食欲が増して体重が増えた | □ | □ | □ |
6. 自分には価値がない、自分を責めてしまうことが多い | □ | □ | □ |
7. 物事を考えたり、集中したりするのが難しくなった | □ | □ | □ |
8. 些細なことでもイライラしたり、落ち着かなかったりする | □ | □ | □ |
9. 何か決定することが難しく、決断を先延ばしにしてしまう | □ | □ | □ |
10. 人前で話すことや、初対面の人と会うことなどに強い不安や恐怖を感じる | □ | □ | □ |
11. 突然、動悸や息苦しさ、めまい、発汗などの体の不調とともに強い恐怖を感じる | □ | □ | □ |
12. 特定の場所(電車、人混みなど)に行くと、不安が強くなり避けてしまう | □ | □ | □ |
13. 過剰な心配事が頭から離れず、コントロールできない | □ | □ | □ |
14. 特定の行動や思考を繰り返さないと気が済まない(手洗い、確認など) | □ | □ | □ |
15. 他人の気持ちや意図を理解するのが難しいと感じることがある | □ | □ | □ |
16. 整理整頓が苦手で、物事を計画通りに進めるのが難しい | □ | □ | □ |
17. 会話中に相手の話題についていくのが難しい、あるいは自分の話したいことばかり話してしまう | □ | □ | □ |
18. 現実にはない声が聞こえる、あるいは見えないものが見える | □ | □ | □ |
19. 誰かに見張られている、嫌がらせをされているといった根拠のない確信がある | □ | □ | □ |
20. 以前に比べて、人と交流するのが億劫になり、引きこもりがちになった | □ | □ | □ |
21. 死にたい気持ちになる、自殺を考えてしまうことがある | □ | □ | □ |
「かなりあてはまる」「少しあてはまる」にチェックが多くついた項目がある場合、何らかの心の不調のサインである可能性があります。特に、日常生活(仕事、学業、家庭、人間関係など)に支障が出ている場合は、注意が必要です。
各疾患別のサイン・症状(メンタルがやばい症状は?)
上記のチェックリストの項目は、前述した代表的な心の病気の兆候を含んでいます。「メンタルがやばい症状は?」と感じている方のために、チェック項目がどの疾患と関連しているか、さらに詳しく見ていきましょう。
- うつ病: 項目1~9、21が多く当てはまる場合、うつ病の可能性が考えられます。特に、気分の落ち込みや興味・喜びの喪失、睡眠・食欲の変化、疲労感、思考力・集中力の低下、罪悪感といった中核症状が複数見られる場合は、注意が必要です。
- 適応障害: 特定のストレス(学校、職場、人間関係など)があり、そのストレスが始まってから項目1~9、10、13、14、20のような情緒的・行動的な症状や身体症状が出始めた場合、適応障害の可能性が考えられます。ストレスの原因から離れると症状が軽くなるかも、という点も手がかりになります。
- 不安障害(全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害、強迫性障害など):
- 全般性不安障害: 項目13が多く当てはまる場合。過剰な心配が続き、それに伴う身体症状(項目3, 4, 5, 8など)も出るのが特徴です。
- 社交不安障害: 項目10が多く当てはまる場合。人前での強い不安や恐怖が、日常生活や仕事に影響を与えます。
- パニック障害: 項目11、12が多く当てはまる場合。突然の強い発作と、それによる予期不安や回避行動が特徴です。
- 強迫性障害: 項目14が多く当てはまる場合。不合理な思考(強迫観念)が頭から離れず、不安を打ち消すために特定の行動(強迫行為)を繰り返してしまいます。
- 発達障害: 項目15~17のように、対人関係やコミュニケーション、あるいは物事の整理や計画に困難を感じることが多い場合、発達障害の特性がある可能性があります。これは病気というより「特性」ですが、その特性が原因で二次的にうつ病や不安障害を発症することもあります。
- 統合失調症: 項目18、19が多く当てはまる場合、統合失調症の可能性が考えられます。幻覚や妄想といった症状は、本人にとっては現実であるため、気づきにくいこともあります。項目20のような意欲・関心の低下や引きこもりといった陰性症状も重要なサインです。
- 自殺念慮: 項目21にチェックがついた場合、これは非常に危険なサインです。すぐに専門家へ相談するか、後述する相談窓口を利用してください。
あくまで簡易的なチェックであり、上記の関連性は一般的な傾向を示すものです。同じ項目にチェックがついたからといって、必ずしも特定の病気であるとは限りません。複数の要因が組み合わさっていることも多くあります。
診断テストの結果はあくまで目安です
ここまで、心の病気の種類と簡易チェックリストをご紹介しました。しかし、これらの情報やチェックリストの結果は、あくまでご自身の状態に気づくための「目安」に過ぎません。この点を十分に理解しておくことが非常に重要です。
自己診断の限界と注意点
インターネット上にある診断テストや情報を用いて、自分で「〇〇病だ」と決めつけること(自己診断)は、以下のようなリスクを伴います。
- 誤った診断: 専門的な知識がないまま判断すると、実際とは異なる病名に結びつけてしまう可能性があります。症状は似ていても、原因やメカニズムが全く違う病気もあります。
- 適切な治療機会の損失: 誤った自己診断に基づいて自己流の対処をしたり、本来受けるべき専門的な治療を受けなかったりすることで、症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。
- 不必要な不安: 症状が軽くても、インターネット上の重い情報に触れることで過度に不安を感じてしまったり、逆に症状が重いのに軽視してしまったりする可能性があります。
- 自己否定: 「自分は病気だ」とネガティブに捉えすぎてしまい、自己肯定感を失うことにつながる可能性もあります。
これらの理由から、簡易テストの結果だけで「自分は病気だ」「何かの病気ではない」と断定するのは避けるべきです。
正確な診断のために
心の病気の正確な診断は、専門家である医師(精神科医や心療内科医)が行います。医師は、以下のような様々な情報や方法を用いて、総合的に判断します。
- 問診: 現在の症状、いつから症状が出始めたか、症状によって日常生活にどのような影響が出ているか、過去の病歴、家族歴、生育歴、現在の生活状況、ストレスの有無などを詳しく尋ねます。患者さん自身の言葉で語られる内容は、診断において非常に重要です。
- 精神状態の観察: 診察中の患者さんの表情、話し方、思考の様子、感情の動きなどを観察します。
- 心理検査: 知能検査、パーソナリティ検査、質問紙検査(うつ病尺度、不安尺度など)などを行い、患者さんの認知機能や性格傾向、症状の程度などを客観的に評価することがあります。
- 身体的な検査: 必要に応じて、血液検査や脳波検査、頭部MRI/CT検査などを行い、症状の原因となる身体的な病気がないかを確認することがあります。
これらの情報を多角的に検討し、国際的な診断基準と照らし合わせながら、最終的な診断が下されます。診断は一度きりではなく、経過を観察しながら修正されることもあります。正確な診断があってこそ、その病気に合った適切な治療法を選択し、効果的な治療を進めることができるのです。
こんな症状が出たら精神科へ(行った方がいいサイン)
セルフチェックの結果に関わらず、「これは専門家に見てもらった方がいいかもしれない」と感じるサインはいくつかあります。「メンタルがやばい症状は?」「どんな状態なら病院に行った方がいい?」と悩んでいる方は、以下の目安を参考にしてみてください。
受診を検討すべき具体的な目安
以下のような症状や状態が続く場合、精神科や心療内科への受診を強く検討してください。
- 日常生活に支障が出ている:
- 仕事や学業に行けなくなった、あるいは続けるのが困難になった。
- 家事が手につかなくなった、身だしなみを整えるのが億劫になった。
- 友人や家族との交流を避けるようになった、あるいは対人関係で大きなトラブルが増えた。
- 趣味や楽しみだったことへの関心を完全に失った。
- 身体的な不調が続いている:
- 十分な睡眠が取れない日が続き、日中の活動に影響が出ている。
- 食欲不振や過食が続き、体重が大きく変動した。
- 原因不明の頭痛、腹痛、めまい、倦怠感などが続いている。
- 精神的な苦痛が大きい:
- 強い不安や恐怖感が続き、常に落ち着かない。
- 悲しい、虚しいといった気分が晴れず、何をしても気分転換できない。
- 些細なことで強いイライラを感じ、怒りをコントロールできない。
- 自分の考えや感情をコントロールできなくなったと感じる。
- 現実にはない声が聞こえる、見えないものが見える、誰かに追われているといった感覚がある。
- 危険な兆候:
- 死にたい気持ちが強い、自殺を具体的に考えている、あるいは自殺を試みたことがある。
- 自分自身や他人を傷つける衝動を抑えられない。
- アルコールや薬物への依存が疑われる状態。
これらのサインは、「これ以上一人で抱え込むのは難しい状態」を示している可能性が高いです。早めに専門家のサポートを受けることが、回復への第一歩となります。
精神科・心療内科の選び方
初めて精神科や心療内科を受診する際は、不安を感じる方もいるかもしれません。受診のハードルを下げるために、いくつか選び方のポイントをご紹介します。
- 診療科の違いを理解する:
- 精神科: 主にうつ病、統合失調症、双極性障害、不安障害、発達障害など、心の病気全般を専門とします。薬物療法や精神療法が中心です。
- 心療内科: 主にストレスなどによって引き起こされる、心と体の両方に症状が現れる病気(心身症)を専門とします。胃潰瘍、過敏性腸症候群、偏頭痛、高血圧など、身体症状が前面に出ているが心理的な要因が強く関わっている場合などに対応します。もちろん、うつ病や不安障害なども診療対象としています。
どちらを受診すべきか迷う場合は、心身両方の不調を感じているなら心療内科、主に気分の落ち込みや幻覚・妄想など精神的な症状が中心なら精神科、という目安がありますが、明確に区別できないことも多いです。どちらの科でも心の不調に対応してくれる場合がほとんどなので、まずはアクセスしやすいクリニックに相談してみるのが良いでしょう。
- 情報収集をする:
- インターネットで近くのクリニックを検索し、公式サイトや口コミサイトで情報を確認します。診療方針、予約方法、アクセスなどをチェックしましょう。
- 知人や家族に紹介してもらうのも良い方法です。
- かかりつけの内科医などに相談し、連携している精神科や心療内科を紹介してもらうことも可能です。
- アクセスと予約方法:
- 通院しやすい場所にあるか、予約は取りやすいか、といった利便性も重要です。
- 初診は予約が必要なクリニックがほとんどです。電話やWebサイトから予約できるか確認しましょう。
- 医師との相性:
- 実際に受診してみて、医師との相性が合うかどうかも大切です。話しやすいか、丁寧に話を聞いてくれるか、説明は分かりやすいか、といった点を考慮しましょう。もし合わないと感じたら、セカンドオピニオンを求めるなど、別のクリニックを探すことも検討して良いでしょう。
初めての受診は勇気がいるかもしれませんが、専門家のサポートを受けることは、決して特別なことではありません。風邪をひいたら内科に行くように、心の調子が悪ければ精神科や心療内科に行くことは、ご自身を大切にすることにつながります。
心の不調に関する相談窓口
「いきなり病院に行くのは抵抗がある」「まずは誰かに話を聞いてほしい」という方のために、無料で相談できる窓口も存在します。
無料相談窓口の紹介
公的な機関や民間の団体が、様々な相談窓口を開設しています。匿名で利用できる場合も多く、電話やSNSなどで気軽に相談できます。働く人のメンタルヘルスについては、厚生労働省の『こころの耳』ポータルサイトで、ストレスチェック制度や職場復帰支援の情報、各種相談窓口について調べることができます。
- 精神保健福祉センター: 各都道府県・政令指定都市に設置されている専門機関です。心の病気や精神的な健康に関する相談、社会復帰に関する相談などを受け付けています。医師、精神保健福祉士、作業療法士などの専門職が対応します。
- 保健所: 各地域に設置されており、健康に関する様々な相談を受け付けています。心の健康に関する相談も可能です。
- よりそいホットライン: どんなひとの、どんな悩みにもよりそって話を聞いてくれる無料の電話相談窓口です。24時間365日利用できます。
- いのちの電話: 自殺予防を目的とした電話相談窓口です。訓練を受けたボランティアが対応し、苦しい胸の内を安心して話すことができます。
- 各種SNS相談: LINEやTwitterなどを利用した相談窓口も増えています。文字でのやり取りなので、電話が苦手な方でも利用しやすいでしょう。厚生労働省のWebサイトなどで、信頼できる相談窓口の一覧を確認できます。
これらの相談窓口は、あなたの悩みや不安に寄り添い、解決のための糸口を見つける手助けをしてくれます。必要に応じて、適切な医療機関や支援機関を紹介してくれる場合もあります。一人で抱え込まず、まずは話を聞いてもらうことから始めてみましょう。
【まとめ】心の病気の種類を知り、適切に対処するために
この記事では、「心の病気 種類 診断テスト」というキーワードに関心を持つ方へ向けて、代表的な心の病気の種類、簡易的なセルフチェックの方法、そしてその限界、さらには専門家への相談や受診の目安、相談窓口について解説しました。
心の不調は誰にでも起こりうることあり、決して特別なことや恥ずかしいことではありません。むしろ、自分自身の心の状態に関心を向け、適切に対処しようとすることは、健康で充実した人生を送る上で非常に重要なことです。
簡易診断テストは、あくまでご自身の心の状態に「気づく」ための一歩です。もしチェックリストに多く当てはまる項目があったり、日常生活に困難を感じたり、どうにもつらい気持ちが続いたりする場合は、自己判断で済ませず、専門家である医師に相談することを強くお勧めします。早期に適切な診断と治療を受けることが、回復への近道となることが多いからです。
また、すぐに病院に行くのはハードルが高いと感じる場合は、この記事でご紹介したような無料の相談窓口を利用してみるのも良いでしょう。あなたの悩みや不安を話すことで、心が軽くなったり、次のステップに進む勇気が出たりするかもしれません。
心の健康も体の健康と同じくらい大切です。ご自身の心の声に耳を傾け、必要であれば迷わず専門家のサポートを求めてください。あなたは一人ではありません。
免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や助言に代わるものではありません。ご自身の心身の不調については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる結果についても、当社は一切の責任を負いかねます。