息苦しさを感じて「もしかしてストレスが原因かもしれない」と感じていませんか?
深呼吸しようと思っても上手くできない、胸が締め付けられるような感覚があるなど、息苦しさの感じ方は人それぞれです。
このような不快な症状が続くと、日常生活にも支障をきたし、さらに不安が募ることもあります。
ストレスは心だけでなく、私たちの体にも様々な影響を及ぼします。
息苦しさもその一つとして現れることが少なくありません。
しかし、息苦しさの中には、ストレスだけでなく、体の病気が隠れている場合もあります。
この記事では、ストレスがなぜ息苦しさを引き起こすのか、病気との見分け方、そしてすぐにできる対処法から専門家への相談まで、詳しく解説します。ご自身の息苦しさがどこから来ているのか理解し、適切な対応をとるための一助となれば幸いです。

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息苦しさ、ストレスが原因かも?考えられるメカニズム
私たちの体は、ストレスを感じると様々な反応を起こします。
心臓がドキドキしたり、汗をかいたり、筋肉が緊張したり。
これらは、太古の昔から危険から身を守るために備わっている体の防御反応の一種です。
このストレス反応は、呼吸にも大きな影響を与えることがあります。
ストレスで息がしづらいのはなぜ?自律神経との関係
ストレスを感じると、私たちの体では「自律神経」のバランスが乱れやすくなります。
自律神経は、心臓の動きや呼吸、消化など、私たちが意識しなくても体の機能を調整している神経です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の二つがあり、通常はこの二つがシーソーのようにバランスを取りながら働いています。
しかし、強いストレスがかかると、体を活動的にさせる交感神経が優位になりすぎることがあります。
交感神経が興奮すると、心拍数が上がったり、血圧が上昇したりするだけでなく、呼吸器系の筋肉も緊張しやすくなります。
特に、呼吸を助けるための首や肩、胸の筋肉がこわばることで、肺を十分に広げることが難しくなり、息苦しさを感じやすくなります。
また、交感神経が優位な状態では、呼吸が浅く速くなる傾向があります。
本来、私たちは腹式呼吸のような深くゆったりとした呼吸をすることで、リラックス効果をもたらす副交感神経を活性化させることができます。
しかし、ストレス下では胸式呼吸が中心となり、浅い呼吸が繰り返されることで、十分な酸素を取り込めていないような感覚や、息苦しさが生じやすくなります。
ストレスによる過呼吸(過換気症候群)のメカニズム
ストレスによって引き起こされる息苦しさの中で、比較的よく知られているのが「過呼吸(過換気症候群)」です。
強い不安や緊張、恐怖などを感じた時に、呼吸が異常に速く、深くなることで起こります。
過呼吸になると、体内に二酸化炭素を取り込みすぎてしまうのではなく、反対に体内の二酸化炭素が過剰に排出されてしまいます。
血液中の二酸化炭素濃度が急激に低下すると、血液がアルカリ性に傾き(アルカローシス)、これが様々な不快な症状を引き起こします。
具体的な症状としては、息苦しさ(空気が吸えない感覚)、胸部の圧迫感や痛み、めまいやふらつき、手足や口の周りのしびれやチクチク感、ひどい場合には手足の筋肉がこわばって動かしにくくなる(テタニー症状)などがあります。
これらの症状は非常に苦しく、さらに不安を煽るため、症状が悪化するという悪循環に陥ることも少なくありません。
過呼吸は命に関わる状態ではありませんが、その苦しさから救急車を呼ぶケースも少なくありません。
ストレスが引き金となる心身の反応であることを理解しておくことが大切です。
ストレスが引き起こすパニック発作と息苦しさ
パニック発作も、ストレスや不安が強く関連する状態であり、激しい息苦しさが中心的な症状の一つとして現れます。
パニック発作は、突然、強い恐怖や不安とともに、様々な身体症状が現れるもので、予期しないタイミングで起こることが特徴です。
パニック発作中の息苦しさは、「息が詰まる」「窒息する」「十分に空気が吸えない」といった非常に強い感覚を伴います。
これに加え、動悸や心拍数の上昇、発汗、体の震え、吐き気や腹部の不快感、めまいやふらつき、非現実感、自分が自分でない感じ、そして「死んでしまうのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」といった強い恐れが同時に現れます。
パニック発作は、ストレスや疲労が蓄積している時に起こりやすいとされています。
一度発作を経験すると、「また発作が起きたらどうしよう」という予期不安が生じ、さらにストレスや不安が増大するという悪循環に陥ることがあります。
息苦しさは、この強い不安や恐怖と身体症状が結びついた結果として強く感じられるのです。
息の仕方がわからなくなる感覚とストレス
「息の仕方がわからなくなる」「どうやって呼吸すればいいのか混乱する」といった感覚も、ストレスが原因で起こることがあります。
これは、自律神経の乱れや、呼吸を意識しすぎることで起こりやすい現象です。
通常、私たちの呼吸は自律神経によって無意識のうちに調整されています。
しかし、ストレスによって呼吸が浅くなったり、過呼吸のような状態を経験したりすると、「きちんと呼吸しなければ」と意識するようになります。
意識的に呼吸をコントロールしようとすると、かえって呼吸のリズムが乱れたり、不自然な呼吸になったりして、「うまく息ができない」「息の仕方がわからない」といった感覚に陥ることがあります。
また、強い不安や緊張は、まるで喉や胸が締め付けられるような感覚を引き起こし、これが「息の仕方がわからない」という感覚につながることもあります。
これは、身体的な緊張と心理的な不安が複雑に絡み合った結果と言えるでしょう。
このような感覚は、身体に異常があるわけではないのに非常に不快で、さらなる不安を招きやすい特徴があります。
ストレス以外の息苦しさ、病気が原因の場合も
息苦しさを感じたとき、その原因がストレスや精神的なものだけであるとは限りません。
実際には、様々な身体の病気が原因で息苦しさが現れることがあります。
特に、急に発症したり、安静にしていても改善しなかったり、他の症状(胸痛、発熱、咳など)を伴う場合は、病気の可能性を疑い、医療機関を受診することが非常に重要です。
なんとなく息苦しい、まずは病気チェック
「なんとなく息苦しい」「以前より息切れしやすくなった」といった、比較的軽度で慢性的な息苦しさも、放置できない場合があります。
ご自身ではストレスだと思っていても、実は病気の初期症状である可能性もゼロではありません。
息苦しさの原因となる病気は多岐にわたります。
呼吸器、循環器、精神科的な問題だけでなく、内分泌系の病気や神経系の病気、貧血などが原因となることもあります。
自己判断で「ストレスのせいだ」と決めつけず、特に症状が続く場合や悪化傾向にある場合は、まずは内科などの医療機関を受診し、体の状態をチェックしてもらうことが大切ですし、厚生労働省のウェブサイトなど信頼できる情報源も参考にしながら、不安な症状があれば専門家にご相談ください。
問診では、息苦しさがいつから始まったのか、どのような時に息苦しくなるのか(安静時か、運動時か、夜間かなど)、どのくらいの時間続くのか、他に症状はないか(咳、痰、胸痛、動悸、発熱、体重減少など)、これまでの病歴や服用中の薬について詳しく聞かれます。
これらの情報から、原因となる病気を絞り込み、必要な検査が行われます。
息苦しさの原因となる呼吸器系の病気
息苦しさの最も一般的な原因の一つは、呼吸器系の病気です。
肺や気管支に問題があると、酸素を十分に取り込んだり、二酸化炭素を排出したりする機能が障害され、息苦しさとして感じられます。
代表的な呼吸器疾患としては、以下のようなものがあります。
- 気管支喘息: アレルギーやその他の原因で気道が炎症を起こし、狭くなる病気です。発作的に息苦しさや咳、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)が現れます。特に夜間や早朝に症状が出やすい傾向があります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD): 主に長期間の喫煙が原因で、肺の機能が徐々に低下する病気です。進行すると、少し体を動かしただけでも息切れを感じるようになり、常に息苦しさを抱えるようになります。咳や痰も伴うことが多いです。
- 肺炎: 肺に細菌やウイルスなどが感染して炎症を起こす病気です。発熱、咳、痰に加え、息苦しさや胸の痛みを伴うことがあります。重症化すると呼吸不全に陥る危険もあります。
- 気胸: 肺に穴が開き、肺から空気が漏れて肺がしぼんでしまう状態です。突然の胸の痛みや息苦しさを感じます。やせ型の若い男性に起こりやすいとされています。
- 肺がん: 進行すると、気道を圧迫したり、肺の機能が低下したりすることで息苦しさや咳、血痰などの症状が現れることがあります。
- 間質性肺炎: 肺の壁(間質)が硬くなる病気で、酸素交換がうまくいかなくなり、息切れや息苦しさを感じます。空咳を伴うことが多いです。
これらの病気による息苦しさは、安静時にも感じたり、動くと強くなったりするのが特徴です。
息苦しさの原因となる循環器系の病気
心臓や血管の病気も、息苦しさの重要な原因となります。
心臓が全身に血液を十分に送り出せなくなると、肺に水分が溜まりやすくなったり、全身への酸素供給が不足したりして、息苦しさを感じます。
- 心不全: 心臓のポンプ機能が低下し、全身が必要とする血液を十分に送り出せない状態です。体を動かしたときの息切れから始まり、進行すると安静時や夜間にも息苦しさを感じるようになります。むくみや体重増加を伴うこともあります。
- 狭心症・心筋梗塞: 心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が狭くなったり詰まったりして、心臓の筋肉への酸素供給が不足する病気です。典型的な症状は胸の痛みですが、人によっては胸の圧迫感や締め付け感、息苦しさとして感じられることもあります。運動時や労作時に症状が現れることが多いですが、安静時にも起こるタイプもあります。
- 不整脈: 心臓のリズムが乱れる病気です。動悸やめまいとともに、息苦しさを感じることがあります。
- 肺血栓塞栓症: 足などにできた血栓が肺の血管に詰まる病気です。突然の息苦しさ、胸の痛み、咳、血痰などが現れることがあります。緊急性の高い病気です。
循環器系の病気による息苦しさは、体を動かしたときに悪化しやすい傾向があります。特に心不全の場合、夜間や横になった時に息苦しさが増す(起坐呼吸)のが特徴的です。
その他の身体的な息苦しさの原因
呼吸器や循環器以外にも、息苦しさを引き起こす可能性のある身体的な病気はいくつかあります。
- 貧血: 血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが不足する状態です。全身への酸素供給が不十分になり、息切れや息苦しさを感じやすくなります。めまいや倦怠感も伴います。
- 甲状腺機能亢進症: 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。心拍数が増えたり、代謝が亢進したりすることで、動悸や息切れ、息苦しさを感じることがあります。体重減少や手の震え、発汗なども伴います。
- 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流し、食道に炎症を起こす病気です。胸焼けや胃もたれなどの症状に加え、胸のつかえ感や圧迫感、慢性的な咳や喉の違和感、息苦しさとして感じられることもあります。
- 腎不全: 腎臓の機能が低下すると、体内の水分や老廃物が蓄積し、肺に水分が溜まることで息苦しさを感じることがあります。
- 神経・筋疾患: ALS(筋萎縮性側索硬化症)や重症筋無力症など、呼吸に関わる筋肉や神経が障害される病気も、進行すると息苦しさを引き起こします。
- 薬剤性: 一部の薬剤の副作用として、息苦しさや咳が現れることがあります。例えば、一部の降圧剤などが原因となることがあります。
このように、息苦しさの原因は非常に多岐にわたります。
症状が続く場合は、安易に自己判断せず、医師の診察を受けることが大切です。
危険な息苦しさを見分けるポイント
「息苦しい」と感じたときに、すぐに医療機関を受診すべき危険なサインがあります。
以下のような症状や状況が見られる場合は、迷わず救急外来を受診するか、救急車を呼ぶことを検討してください。
危険な息苦しさのサイン | 詳細 |
---|---|
突然の激しい息苦しさ | 数分〜数時間以内に急激に息苦しさが始まった。 |
胸の痛みや圧迫感を伴う | 特に締め付けられるような痛みや、胸が重苦しい感じ。 |
発熱やひどい咳、痰を伴う | 特に黄色や緑色の痰、血痰が見られる場合。 |
横になると息苦しさが増す | 座っている方が楽で、横になるとさらに苦しくなる(起坐呼吸)。 |
唇や指先が紫色になる | 体内の酸素が足りていないサイン(チアノーゼ)。 |
意識が朦朧とする、会話が困難 | 呼吸が不十分で脳への酸素供給が低下している可能性。 |
冷や汗や吐き気を伴う | 心臓の病気など、重篤な状態の可能性。 |
足のむくみや体重の急激な増加 | 特に両足のむくみは心不全や腎不全の可能性。 |
今まで経験したことのない息苦しさ | いつもと違う、強い、耐え難い息苦しさ。 |
持病(心臓病、肺疾患など)がある場合 | 持病が悪化した可能性が高く、重症化しやすい。 |
これらのサインは、心筋梗塞、肺血栓塞栓症、重症の肺炎や喘息発作、心不全の急激な悪化など、緊急性の高い病気が隠れている可能性を示しています。
自己判断せずに、速やかに専門家の診断を受けることが命を守る上で非常に重要です。
息苦しいと感じたときの対処法、ストレス対策
息苦しさの原因がストレスや自律神経の乱れ、あるいは病院での検査で病気が見つからなかった場合、セルフケアやストレス対策が非常に有効です。
日々の生活の中で意識することで、症状の改善につながることが期待できます。
今すぐできる息苦しさへの対処法
息苦しさを感じたときに、その場で実践できる応急処置があります。
特にストレスや不安による息苦しさ、軽い過呼吸の症状に対して有効です。
- 落ち着ける場所へ移動する: 人混みや騒がしい場所から離れ、静かで空気のきれいな場所へ移動しましょう。座れる場所があれば座ります。
- 楽な姿勢をとる: 座っている場合は、椅子に深く腰掛け、軽く前かがみになり、肘を膝の上に置くなどして上半身の力を抜きます。立っている場合は、壁にもたれたり、何かにつかまったりして体を支えます。横になるよりは、上半身を起こしている方が楽なことが多いです。
- ゆっくりと呼吸する: 浅く速い呼吸を落ち着かせ、ゆっくりと、そして少し長めに息を吐くことを意識します。鼻から吸って、口からゆっくりと(ろうそくの火を吹き消すように)吐き出す呼吸を繰り返します。可能であれば、4秒かけて鼻から吸い込み、6秒かけて口から吐き出す、といったカウントを取り入れると、より意識的にゆっくり呼吸できます。
- 呼吸に意識を集中する: 息苦しさや不安から注意をそらし、自分の呼吸そのものに意識を集中します。「吸って、吐いて」と心の中で唱えたり、お腹の動きに手を当てて感じたりするのも有効です。
- リラックスを心がける: 肩や首の力を抜いて、深呼吸とともに全身の緊張を解きほぐすイメージを持ちます。好きな音楽を聴く、目を閉じて落ち着く情景を思い浮かべるなど、自分がリラックスできる方法を試してみましょう。
- 過呼吸の場合: 紙袋を口に当てて呼吸する(リブリージング法)は、現在は推奨されていません。二酸化炭素濃度が過剰に高まる危険があるためです。代わりに、上記のようなゆっくりとした呼吸を意識する方が安全です。もし手足のしびれや硬直が強い場合は、無理に動かさず、落ち着いて症状が和らぐのを待ちましょう。
これらの対処法は、あくまで一時的な症状緩和のためのものです。
症状が頻繁に起こる場合や改善しない場合は、専門家への相談を検討してください。
自律神経の乱れによる息苦しさの対処
ストレスによる自律神経の乱れが原因で息苦しさが現れている場合、自律神経のバランスを整えるための長期的なアプローチが必要です。
- 規則正しい生活: 毎日決まった時間に寝て起きる、3食バランスの取れた食事を摂るといった基本的な生活習慣を整えることが、自律神経のリズムを安定させる上で非常に重要です。
- 十分な睡眠: 睡眠不足は自律神経のバランスを大きく崩します。質の良い睡眠を十分に取ることを心がけましょう。寝る前にリラックスする時間を作る、寝室環境を快適にするなどの工夫も有効です。
- 適度な運動: ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチ、ヨガなどの有酸素運動は、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。無理のない範囲で、継続的に行うことが大切です。
- 入浴: ぬるめのお湯(38℃~40℃程度)にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られます。寝る前に体温を上げることで、その後の体温低下がスムーズな入眠につながります。
- 食事: バランスの取れた食事に加え、自律神経の働きをサポートすると言われる栄養素(ビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなど)を意識して摂取するのも良いでしょう。カフェインやアルコールの過剰摂取は自律神経を刺激する可能性があるため、控えめにするのが望ましいです。
- 呼吸法: 前述のようなゆっくりとした腹式呼吸を、息苦しさを感じていない時でも日常的に行う練習をすると、リラックス効果を高め、自律神経のバランスを整える助けになります。
日常生活でできるストレス軽減・解消法
息苦しさの根本原因であるストレスそのものへの対処も欠かせません。
日常生活の中に、ストレスを軽減・解消するための習慣を取り入れましょう。
- ストレスの原因を特定する: 何がストレスになっているのかを具体的に書き出してみましょう。職場、人間関係、経済的な問題、将来への不安など、原因を特定することで、対処方法が見えてきます。
- 休息をとる: 忙しい毎日の中で、意識的に休息をとる時間を作りましょう。短い休憩でも、心身をリフレッシュさせる効果があります。
- 趣味や好きなことに時間を費やす: 自分が心から楽しめる活動に没頭する時間は、ストレスを忘れさせ、気分転換になります。
- リラクゼーション: 瞑想、ヨガ、アロマセラピー、温かい飲み物を飲むなど、自分が心地よいと感じるリラクゼーション方法を見つけて実践しましょう。
- 誰かに話を聞いてもらう: 信頼できる友人や家族に話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。抱え込まずに感情を表現することが大切です。
- 質の高い睡眠を確保する: 睡眠中に心身の疲労は回復します。十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高める工夫をしましょう。
- 完璧主義を手放す: 全てを完璧にこなそうとすると、それが大きなストレスになることがあります。「まあいいか」と適度に手を抜くことも必要です。
- ジャーナリング(書くこと): 自分の感情や考えを紙に書き出すことで、頭の中が整理され、客観的に状況を捉えられるようになります。ストレスの原因や対処法が見つかることもあります。
夜の息苦しいストレスへの対応
夜間、特に寝ようとしたときに息苦しさを感じやすいという人もいます。
これは、日中の活動が終わり、意識が内側に向きやすくなること、不安や心配事が増幅されやすい時間帯であること、横になることで呼吸器や循環器への負担が変化することなどが関係している可能性があります。
夜間の息苦しさに対応するためには、以下のような対策が考えられます。
- 寝る前のリラックス習慣: 寝る直前までスマホやPCを見たり、考え事をしたりするのを避け、入浴や軽いストレッチ、読書、落ち着いた音楽を聴くなど、心身をリラックスさせるための習慣を取り入れましょう。
- 腹式呼吸の実践: 布団に入ってから、ゆっくりとした腹式呼吸を行います。呼吸に意識を集中することで、余計な考え事や不安から注意をそらすことができます。
- 寝る姿勢の工夫: 横になると息苦しさが増す場合は、上半身を少し起こした姿勢(クッションや抱き枕を活用)で寝る方が楽なことがあります。
- 不安な気持ちを書き出す: 寝る前に、今感じている不安や心配事を紙に書き出してみましょう。頭の中のモヤモヤが整理され、少し気持ちが軽くなることがあります。
- カフェインやアルコールの制限: 夕食後や寝る前にカフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)やアルコールを摂取すると、自律神経が刺激され、眠りが浅くなったり不安が増したりして、息苦しさを感じやすくなることがあります。
- 寝室環境の整備: 寝室を快適な温度・湿度に保ち、光や音の刺激を減らすなど、睡眠に適した環境を整えましょう。
夜間の息苦しさが続く場合は、睡眠時無呼吸症候群など睡眠に関連する病気や、心不全など身体的な病気が隠れている可能性も考慮し、医療機関へ相談することが重要です。
ストレスが限界に達したサインとしての息苦しさ
息苦しさは、体からの重要なサインである可能性があります。
特に、ストレスが長期間続いたり、非常に強いストレスに直面したりしている場合、息苦しさは「もうこれ以上は耐えられない」という体が発するSOS、つまりストレスが限界に達しているサインの一つとして現れることがあります。
息苦しさ以外に注意すべきストレス限界症状
息苦しさに加えて、以下のような症状が複数現れている場合は、ストレスが限界に近づいている、あるいは既に限界を超えている可能性が高いと考えられます。
これらのサインを見逃さず、適切な休息や専門家のサポートを受けることが重要です。
ストレス限界のサイン(身体症状) | 詳細 |
---|---|
強い疲労感・倦怠感 | 十分な休息をとっても回復しない、体が鉛のように重い感じ。 |
睡眠障害 | 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、熟睡感がないなど。 |
食欲不振または過食 | 食事が喉を通らない、味を感じない、またはストレスから過剰に食べてしまう。 |
頭痛、肩こり、腰痛 | 筋肉の緊張が続き、慢性的な痛みや凝りとして現れる。 |
めまい、立ちくらみ | 自律神経の乱れや血圧の変動によるもの。 |
胃痛、腹痛、下痢、便秘 | 消化器系の不調。過敏性腸症候群のような症状。 |
動悸、胸の痛み | 心臓に異常がなくても、ストレスで起こることがある。ただし、病気の可能性も検討すべき症状。 |
手足のしびれや震え | 自律神経の乱れや過呼吸によるもの。 |
免疫力の低下 | 風邪を引きやすくなる、口内炎ができやすいなど。 |
ストレス限界のサイン(精神症状・行動の変化) | 詳細 |
---|---|
気分の落ち込み、抑うつ感 | 何事にも興味が持てない、楽しいと感じられない、ネガティブな思考が続く。 |
強い不安感、イライラ | ちょっとしたことにも不安を感じる、感情のコントロールが難しい、攻撃的になる。 |
集中力・判断力の低下 | 仕事や勉強に集中できない、ミスが増える、物事を決められない。 |
記憶力の低下 | 物忘れが増える。 |
無気力、意欲の低下 | 何もする気が起きない、これまで楽しんでいたことに関心がなくなる。 |
引きこもり、人付き合いを避ける | 外に出るのが億劫になる、人と会うのが疲れる。 |
アルコールやタバコへの依存 | ストレスを紛らわすために、これらの摂取量が増える。 |
ヒステリー発作 | 感情が高ぶり、泣き叫んだり、体が硬直したりする。 |
これらの症状が一つだけでなく、複数同時に現れており、それが長く続いている場合は、専門家への相談を真剣に検討すべき時期です。
無理を重ねると、うつ病や不安障害など、より重い心の病気につながる可能性があります。
息苦しさで悩んだら専門家へ相談を
息苦しさを感じて不安な気持ちを抱えているなら、一人で抱え込まずに専門家へ相談することが大切です。
体の病気なのか、ストレスや心の状態によるものなのか、原因を明らかにし、適切な治療や対処法を見つけることで、症状の改善や安心につながります。
医療機関を受診する目安
前述の「危険な息苦しさを見分けるポイント」に当てはまる場合は、緊急性の高い病気の可能性があるため、迷わず救急外来を受診してください。
それ以外の場合でも、以下のような状況であれば、医療機関を受診することを強くお勧めします。
- 息苦しさが数日以上続いている、または悪化傾向にある。
- 安静にしていても息苦しさがある。
- 体を動かすと息苦しさが強くなる。
- 息苦しさ以外に、咳、痰、発熱、胸痛、動悸、めまい、体重減少などの症状がある。
- 夜間や横になった時に息苦しさが増す。
- 息苦しさで眠れない、日常生活に支障が出ている。
- 息苦しさが繰り返される。
- 自分でできる対処法を試しても改善しない。
- 息苦しさの原因が分からず、強い不安を感じている。
まずは、かかりつけの内科医や、呼吸器内科、循環器内科などを受診するのが一般的です。
医師が問診や診察を行い、必要に応じて血液検査、X線検査、心電図、肺機能検査などの検査を行い、身体的な原因を調べます。
精神科・心療内科への相談
身体的な検査で明らかな異常が見つからなかった場合や、ストレスや不安が強く関連していると考えられる場合は、精神科や心療内科への相談を検討しましょう。
- 心療内科: 主にストレスや心理的な問題が原因で体に症状が現れている「心身症」を専門とする科です。息苦しさや動悸、胃腸の不調など、身体症状を伴う精神的な問題を扱います。
- 精神科: 気分障害(うつ病、躁うつ病)、不安障害(パニック障害、社交不安障害など)、統合失調症など、より幅広い精神疾患を扱います。
心療内科や精神科では、現在の症状、ストレスの原因、これまでの経過、精神的な状態などを詳しく問診します。
必要に応じて、心理検査やカウンセリング、薬物療法(抗不安薬、抗うつ薬など)が検討されます。
「精神科や心療内科に行くのはハードルが高い」と感じる方もいるかもしれませんが、息苦しさの背景に隠された心の問題に対処することは、症状の根本的な改善につながります。
専門家は守秘義務がありますし、病気として適切な治療を受けることで、心身ともに楽になることが期待できます。
また、医療機関だけでなく、地域の精神保健福祉センターや、職場の産業医・カウンセラーなどに相談することも可能です。
ご自身の状況に合わせて、最も相談しやすい方法を選びましょう。
【まとめ】息苦しさ、ストレスとの関連と適切な対応
息苦しさは、ストレスが原因で起こることが少なくありません。
ストレスによる自律神経の乱れは、呼吸筋の緊張や浅く速い呼吸を引き起こし、息苦しさとして感じられます。
また、強いストレスや不安は、過呼吸やパニック発作の引き金となり、激しい息苦しさを伴うことがあります。
しかし、息苦しさの中には、呼吸器系や循環器系の病気、その他の身体的な病気が隠れている可能性も十分にあります。
特に、急に発症した、胸痛を伴う、発熱がある、横になると苦しいといった危険なサインが見られる場合は、速やかに医療機関を受診することが非常に重要ですし、厚生労働省のウェブサイトなどで関連情報を確認することも役立ちます。
病気によるものではなく、ストレスや自律神経の乱れによる息苦しさである場合は、日常生活でのストレス対策や自律神経を整える工夫が有効です。
ゆっくりとした呼吸法、適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事、リラックスできる時間を持つことなどを意識しましょう。
夜間の息苦しさには、寝る前のリラックス習慣や寝姿勢の工夫なども効果的です。
息苦しさが続く場合や、他のつらい症状を伴う場合は、一人で悩まず専門家へ相談してください。
身体的な原因を探るためには内科や呼吸器内科、循環器内科を、ストレスや心の状態が関連していると思われる場合は心療内科や精神科を受診するのが適切です。
息苦しさは、心と体の状態が発する大切なサインです。
そのサインに耳を傾け、適切な対処をすることで、心身の健康を取り戻すことができるでしょう。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、病気の診断や治療を推奨するものではありません。息苦しさを感じた場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。