日々の生活で「なんとなく調子が悪い」「体のあちこちに不調を感じる」といった経験はありませんか?もしかすると、それは自律神経の乱れが原因かもしれません。自律神経は、私たちの意識とは無関係に体の様々な機能をコントロールしています。このバランスが崩れると、心身に多様な不調が現れることがあります。
この記事では、自律神経が乱れる原因や具体的な症状、自分でできるセルフチェック、そして今日から実践できる改善方法について詳しく解説します。不調を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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自律神経とは?体の基本的な働き
私たちの体は、呼吸、心臓の拍動、消化、体温調節など、生命を維持するために必要な様々な活動を、意識することなく自動的に行っています。これらの活動をコントロールしているのが「自律神経」です。自律神経は、活動時に優位になる交感神経と、休息時に優位になる副交感神経の二つから成り立っています。
- 交感神経: 緊張や興奮、活動モードの時に働きます。心拍数を上げたり、血圧を上昇させたり、筋肉を緊張させたりします。ストレスを感じたり、集中したりする場面で活発になります。
- 副交感神経: リラックスや休息、回復モードの時に働きます。心拍数を下げたり、血圧を安定させたり、消化を促進したりします。食事中や睡眠中、くつろいでいる時などに優位になります。
この二つの神経は、互いにバランスを取りながら、体の状態を最適な状態に保っています。例えば、運動するときは交感神経が優位になって心拍数が上がり、休憩するときは副交感神経が優位になって心拍数が落ち着きます。このように、状況に応じてどちらかの神経が優位になることで、私たちの体は効率的に機能しているのです。
自律神経が乱れる原因
自律神経のバランスは非常にデリケートで、様々な要因によって容易に乱れてしまいます。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
精神的なストレス
私たちの心は自律神経と密接に関わっています。不安、緊張、怒り、悲しみといったネガティブな感情が続いたり、仕事や人間関係、将来への不安など、精神的な負荷が大きくなると、交感神経が過剰に優位になりやすく、自律神経のバランスが崩れます。特に、真面目で責任感が強い人、感情を内に溜め込みやすい人は、精神的なストレスの影響を受けやすい傾向があります。
身体的なストレス
体への負担も自律神経の乱れにつながります。過労や慢性的な疲労、睡眠不足、不規則な勤務時間、激しい運動、あるいは病気や怪我なども身体的なストレスとなります。これらのストレスは、体の回復に必要な副交感神経の働きを妨げ、交感神経を優位な状態に保ってしまうことがあります。風邪を引いた時などに体調が優れないだけでなく、気分まで落ち込みやすくなるのは、身体的な不調が自律神経のバランスに影響している一例と言えるでしょう。
生活習慣の乱れ
日々の生活習慣は、自律神経のバランスに大きく影響します。特に現代人は、多忙な生活の中で生活習慣が乱れがちです。
睡眠不足と不規則な生活
睡眠は、心身を休息させ、疲労を回復させるための重要な時間です。十分な睡眠時間が取れなかったり、寝る時間や起きる時間が毎日バラバラだったりすると、体のリズム(体内時計)が狂い、自律神経のバランスが崩れやすくなります。夜遅くまでスマートフォンを見たり、夜勤が多い仕事なども影響します。
食生活の偏り
栄養バランスの偏った食事、特に加工食品や高カロリーな食事の摂りすぎ、あるいは過度なダイエットによる栄養不足も自律神経の乱れの原因となります。また、カフェインやアルコールの過剰摂取も、交感神経を刺激してしまい、バランスを崩す可能性があります。一方で、腸内環境の悪化も自律神経に影響を与えることが最近の研究で分かっています。
運動不足
適度な運動は、ストレス解消になるだけでなく、自律神経のバランスを整える効果があります。運動不足が続くと、体の機能が低下するだけでなく、血行が悪くなったり、気分転換の機会が減ったりすることで、自律神経が乱れやすくなります。デスクワーク中心の生活を送っている人や、運動習慣がない人は注意が必要です。
体質や性格
自律神経の乱れやすさには、個人差や体質、性格も関係していると考えられています。生まれつきストレスを感じやすい傾向がある人、完璧主義で物事を深く考えすぎる人、感受性が強い人などは、外部からの刺激やストレスに反応しやすく、自律神経のバランスが崩れやすいと言われています。また、気候の変化に体がついていけないなど、特定の環境要因に弱い体質の人もいます。
自律神経の乱れで起こる主な症状
自律神経の乱れによって現れる症状は多岐にわたり、その現れ方も人によって様々です。特定の臓器に異常が見られないにも関わらず、様々な体の不調や精神的な症状が同時に、あるいは周期的に現れるのが特徴です。
体にあらわれる症状
自律神経は全身の機能をコントロールしているため、体の様々な部分に不調が現れます。
動悸、息苦しさ、胸の痛み
突然心臓がドキドキしたり、息が吸いづらくなったり、胸が締め付けられるような痛みを感じたりすることがあります。これらは、交感神経が過剰に興奮することで起こる症状です。
頭痛、めまい、立ちくらみ
血圧の調節がうまくいかなくなることで、頭痛が頻繁に起こったり、ふわふわするようなめまいや、立ち上がった時に目の前が真っ暗になる立ちくらみを経験したりすることがあります。
倦怠感、疲労感
十分に休んでも疲れが取れない、体が重く感じるといった慢性的な倦怠感もよく見られる症状です。エネルギー代謝の調節がうまくいかなくなることが関与していると考えられます。
肩こり、首こり、腰痛
自律神経の乱れは、筋肉の緊張を引き起こすことがあります。特に、ストレスや緊張が続くと、首や肩周りの筋肉が凝り固まりやすく、慢性的な肩こりや首こり、腰痛につながることがあります。
腹痛、便秘、下痢
消化器系の動きも自律神経によってコントロールされています。バランスが崩れると、胃の痛みや膨満感、便秘や下痢を繰り返すといったお腹の不調が現れやすくなります。過敏性腸症候群と関連があることもあります。
手足の冷えやしびれ
血管の収縮・拡張も自律神経の働きによるものです。バランスが崩れると、手足の血行が悪くなり、冷えやしびれを感じることがあります。特に冷えやすい体質ではないのに、手足が冷たいと感じる場合は注意が必要です。
発汗異常、体温調節の不調
体温調節や汗をかく機能も自律神経が担っています。必要以上に汗をかいたり、逆に全く汗をかかなくなったり、暑くもないのに顔がほてったり、寒気を感じたりといった体温調節の不調が現れることがあります。
精神にあらわれる症状
体の不調だけでなく、精神的な症状も自律神経の乱れと深く関連しています。
イライラ、不安感、落ち込み
気分が不安定になりやすく、些細なことでイライラしたり、漠然とした不安を感じたり、気分が落ち込んで憂鬱になったりすることがあります。これらの症状は、うつ病や不安障害と区別がつきにくい場合もあります。
集中力や記憶力の低下
物事に集中できなくなったり、以前よりも忘れっぽくなったと感じたりすることがあります。脳の機能も自律神経の影響を受けるため、思考力が低下することがあります。
不眠、寝つきの悪さ
夜になっても体がリラックスモードになれず、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったり、朝早くに目が覚めてしまうといった睡眠障害も多く見られます。これは、休息を促す副交感神経の働きが十分でないために起こります。
複数の症状が同時に現れる特徴
自律神経失調症は、これらの様々な身体的・精神的な症状が組み合わさって現れることが多いのが特徴です。ある日は頭痛があり、別の日は動悸がするといったように、症状が日によって変わったり、同時に複数の症状が現れたりします。病院で検査をしても、特定の病気が見つからない場合が少なくありません。
自律神経 乱れをセルフチェック
ご自身の自律神経が乱れている可能性があるかどうか、以下のチェックリストで確認してみましょう。あくまで目安であり、診断ではありませんが、当てはまる項目が多い場合は、自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。
自律神経失調症のセルフチェックリスト
以下の項目について、最近1ヶ月間のご自身の状態に最も近いものをチェックしてください。
項目 | よくある | 時々ある | あまりない | 全くない |
---|---|---|---|---|
疲れやすい、体がだるい | □ | □ | □ | □ |
肩や首がこる、体が痛む | □ | □ | □ | □ |
頭痛がする | □ | □ | □ | □ |
めまいや立ちくらみがする | □ | □ | □ | □ |
動悸や息苦しさを感じることがある | □ | □ | □ | □ |
胃の調子が悪い、お腹が張る | □ | □ | □ | □ |
便秘や下痢を繰り返す | □ | □ | □ | □ |
手足が冷える、しびれる | □ | □ | □ | □ |
汗を異常にかく、または全くかかない | □ | □ | □ | □ |
体温調節がうまくいかない(ほてる、寒気) | □ | □ | □ | □ |
寝つきが悪い、眠りが浅い、熟睡できない | □ | □ | □ | □ |
朝起きるのがつらい | □ | □ | □ | □ |
イライラしやすい、怒りっぽい | □ | □ | □ | □ |
不安を感じやすい、落ち着かない | □ | □ | □ | □ |
気分が落ち込む、憂鬱になる | □ | □ | □ | □ |
集中力が続かない、気が散りやすい | □ | □ | □ | □ |
物忘れが多くなったと感じる | □ | □ | □ | □ |
人前に出るのが苦手になった | □ | □ | □ | □ |
ちょっとしたことで動揺しやすい | □ | □ | □ | □ |
判定の目安:
- 「よくある」や「時々ある」が多い場合:自律神経の乱れの可能性があります。
- 特に身体的な症状と精神的な症状の両方が見られる場合:自律神経失調症の可能性が高まります。
注意: このチェックリストはあくまでセルフチェック用です。正確な診断は医療機関で行われます。
自律神経が乱れやすい人の特徴
自律神経が乱れやすい人には、いくつかの共通する特徴が見られます。ご自身や周囲の人に当てはまるか確認してみましょう。
- 完璧主義で真面目な性格: 目標達成のために努力を惜しまず、妥協を許さないため、自分自身にプレッシャーをかけやすい傾向があります。
- 感受性が強く、周りの目を気にしやすい: 他人の感情や場の雰囲気に敏感で、周囲の期待に応えようとしすぎるあまり、ストレスを溜め込みやすいです。
- 感情表現が苦手、内に溜め込みやすい: 不安や不満などの感情を言葉にするのが苦手で、一人で抱え込んでしまうため、ストレスを発散する機会が少ないです。
- 環境の変化に対応するのが苦手: 引越し、転職、入学・卒業など、環境が大きく変わる際にストレスを感じやすく、体調を崩すことがあります。
- 不規則な生活を送っている: 夜更かしが多い、食事時間がバラバラ、運動習慣がないなど、生活リズムが乱れている人は、自律神経も乱れやすくなります。
- 責任感が強く、頼られると断れない: 仕事や頼まれごとを一人で抱え込み、休息を取る時間を削りがちです。
これらの特徴に当てはまるからといって、必ず自律神経が乱れるわけではありませんが、ご自身がストレスを受けやすいタイプであると認識しておくことは、予防や対策を考える上で役立ちます。
自律神経 乱れを改善し、整える方法
自律神経の乱れは、日々の生活習慣を見直したり、ストレスとの付き合い方を変えたりすることで改善が期待できます。今日からでも始められる、具体的な方法をご紹介します。
生活習慣の見直し
基本的な生活習慣を整えることは、自律神経のバランスを取り戻す上で最も重要です。
バランスの取れた食事
規則正しい時間に、栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切です。特に、自律神経の働きをサポートするビタミンB群やカルシウム、マグネシウムなどのミネラルを意識的に摂りましょう。また、腸内環境を整えるために、食物繊維や発酵食品を積極的に取り入れることも推奨されます。カフェインやアルコールの過剰摂取は控えめにし、刺激物は避けるのが無難です。
適度な運動を取り入れる
無理のない範囲で、ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどの有酸素運動を習慣にしましょう。運動は血行を促進し、心身のリラックス効果を高め、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。また、セロトニンなどの神経伝達物質の分泌を促し、精神的な安定にもつながります。週に2~3回、1回30分程度の運動を目指すと良いでしょう。
質の良い十分な睡眠
自律神経を整えるためには、量と質の両方が重要です。毎日同じ時間に寝て起きるように心がけ、体内時計のリズムを整えましょう。寝る前はスマートフォンやパソコンの使用を避け、ぬるめのお湯に浸かる、軽いストレッチをするなど、リラックスできる習慣を取り入れるのがおすすめです。寝室の環境(温度、湿度、光)を快適に保つことも、質の高い睡眠につながります。
湯船に浸かる習慣
シャワーだけで済ませず、毎日ゆっくり湯船に浸かる習慣を取り入れましょう。38~40℃くらいのぬるめのお湯に10~20分程度浸かることで、体の芯から温まり、血行が促進されます。また、全身の力が抜けてリラックス効果が高まり、副交感神経が優位になりやすいため、心身の緊張を和らげるのに効果的です。好きな香りの入浴剤を使うのも良いでしょう。
効果的なストレスケア
ストレスを全くなくすことは難しいですが、上手に付き合っていく方法を身につけることは可能です。
リラクゼーション法
日々の生活の中に、意図的にリラックスする時間を取り入れましょう。深呼吸、瞑想、ヨガ、軽いストレッチなどは、心身の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。アロマテラピーや音楽鑑賞など、自分がリラックスできる方法を見つけて実践することが大切です。
気分転換や趣味の時間
仕事や悩みから離れて、気分転換できる時間を作ることも重要です。好きな趣味に没頭したり、友人とおしゃべりしたり、自然の中で過ごしたりすることで、心のリフレッシュにつながります。自分が「楽しい」「心地よい」と感じられる時間を積極的に作りましょう。
朝日を浴びる習慣
朝起きたら、カーテンを開けて自然光を浴びるようにしましょう。特に朝日には、体内時計をリセットする効果があります。これにより、昼間は活動モードの交感神経が、夜間は休息モードの副交感神経が優位になりやすい体のリズムが整えられ、自律神経のバランス改善につながります。ベランダに出たり、窓際で簡単なストレッチをするのも良いでしょう。
漢方薬などの活用(選択肢として)
セルフケアだけでは改善が難しい場合や、症状が辛い場合には、専門家と相談の上で漢方薬などの活用も選択肢の一つとなります。漢方薬は、体の全体的なバランスを整えることで症状の改善を目指すもので、自律神経の乱れによる様々な不調に対して処方されることがあります。ただし、自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師に相談し、ご自身の体質や症状に合ったものを選んでもらうことが重要です。
つらい症状が続く場合は専門機関へ相談を
セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、一人で悩まずに専門機関に相談することが非常に大切です。
どんな時に受診すべき?
以下のような場合は、医療機関への受診を検討しましょう。
- セルフチェックで当てはまる項目が多く、症状が長く続いている
- 体の不調が辛く、仕事や学業、家事などが手につかない
- 精神的な落ち込みが激しく、何もやる気が起きない
- 夜全く眠れない、または寝てもすぐに目が覚めてしまう
- 食事が喉を通らない、あるいは過食してしまう
- 体の不調だけでなく、将来への強い不安や絶望感を感じる
- 検査をしても原因不明の体調不良が続いている
これらのサインは、自律神経失調症だけでなく、別の病気が隠れている可能性や、うつ病などの精神疾患を発症している可能性も考えられます。早めに専門家の診断を受け、適切なアドバイスや治療を受けることが回復への第一歩です。
何科を受診すれば良い?
自律神経失調症の症状は多岐にわたるため、何科を受診すれば良いか迷うこともあります。一般的には、以下のような診療科が考えられます。
- 心療内科: ストレスや精神的な要因によって生じる身体症状を専門とする科です。自律神経失調症の診断や治療に最も適していると言えます。
- 精神科: 気分の落ち込みや不安、不眠などの精神症状が強い場合に適しています。自律神経失調症と診断されることもあれば、うつ病や不安障害などと診断されることもあります。
- 内科: まずは体の具体的な不調(動悸、頭痛、腹痛など)について、器質的な病気がないか確認するために受診します。検査の結果、異常が見つからない場合は、自律神経の乱れを指摘され、心療内科などを紹介されることもあります。
- 婦人科: 女性の場合、ホルモンバランスの変化が自律神経の乱れに影響することがあります(更年期など)。関連が疑われる場合は婦人科での相談も有効です。
どの科を受診すべきか判断に迷う場合は、まずはかかりつけ医や内科医に相談してみるのが良いでしょう。症状を詳しく伝えれば、適切な診療科を紹介してもらえるはずです。
【まとめ】自律神経の乱れは生活習慣とストレスケアで整えよう
自律神経の乱れは、現代社会に生きる多くの人が抱える可能性のある不調です。様々な身体的・精神的な症状を引き起こし、QOL(生活の質)を著しく低下させてしまうことがあります。
自律神経のバランスが崩れる原因は、ストレス、生活習慣の乱れ、体質など多岐にわたります。ご自身の生活を振り返り、何が原因となっているのかを把握することが改善への第一歩です。
バランスの取れた食事、適度な運動、質の良い睡眠といった基本的な生活習慣の見直しや、自分に合ったストレス解消法を見つけることが、自律神経を整える上で非常に重要です。また、朝日を浴びる習慣や湯船に浸かる習慣なども、手軽に始められる効果的な方法です。
セルフケアを続けても改善が見られない場合や、症状が辛くて日常生活に支障が出ている場合は、迷わずに心療内科や精神科などの専門機関に相談しましょう。早期に適切なアドバイスや治療を受けることが、回復への近道となります。
自律神経は、私たちの心と体の状態を映し出す鏡のようなものです。ご自身の心と体に耳を傾け、無理のない範囲でケアしていくことが大切です。
免責事項: この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療を推奨するものではありません。自律神経の乱れやその他の健康上の問題に関する懸念がある場合は、必ず医療専門家に相談してください。記事内の情報は執筆時点のものであり、時間とともに変化する可能性があります。