不安からくる動悸や体の重さ、倦怠感に悩まされていませんか?「心臓がドキドキする」「常に体がだるくて何もする気が起きない」「不安になると症状がひどくなる」といった経験は、つらいだけでなく、日常生活にも大きな影響を与えます。これらの症状は、単なる疲れや気のせいではなく、心の状態と体の状態が密接に関わっているサインかもしれません。この記事では、不安がなぜ動悸や倦怠感といった身体症状を引き起こすのか、考えられる原因や病気、そしてご自身でできる対処法から専門的な治療、病院を受診する目安まで、詳しく解説します。あなたの不安と体の不調に向き合い、改善を目指すための一歩を踏み出す助けになれば幸いです。

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不安による動悸・倦怠感の症状とは?体のサインを見逃さない
不安は、私たちの心だけでなく体にも様々なサインを送ります。特に「動悸」や「倦怠感」は、不安を感じている人が経験しやすい代表的な身体症状です。これらの症状は、体の異常を示す重要なシグナルである可能性があります。
不安が引き起こす体の症状(動悸、倦怠感、だるさなど)
不安を感じると、体は危険から身を守ろうとして臨戦態勢に入ります。この際に現れるのが、以下のような様々な身体症状です。
- 動悸: 心臓がドキドキする、脈が速くなる、鼓動が強く感じられるなど。不安が高まると、心拍数が上昇し、普段意識しない心臓の動きを強く感じやすくなります。
- 倦怠感・だるさ: 体が重く感じられる、全身の力が抜けたようにだるい、起き上がるのがつらいなど。不安や緊張が持続すると、心身ともに疲弊し、慢性的な疲労感や倦怠感につながることがあります。
- 疲労: 十分な休息をとっても疲れがとれない、常に疲れている感じがするなど。精神的な緊張が続くことで、物理的な活動量が少なくても疲労を感じやすくなります。
これらの症状は、不安という精神的な状態が、体の生理機能に直接影響を与えている証拠です。
頭痛、めまい、息苦しさ、吐き気などの身体症状
動悸や倦怠感以外にも、不安は様々な身体症状を引き起こすことがあります。
- 頭痛: 締め付けられるような緊張型頭痛や、ズキズキとした片頭痛など。
- めまい: フラフラする感じ、立ちくらみ、体が揺れているような感覚など。
- 息苦しさ・過呼吸: 息が吸えない感じ、胸が締め付けられる感じ、呼吸が速く浅くなる(過呼吸)など。
- 吐き気・腹痛・下痢: 胃の不快感、ムカつき、お腹が痛くなる、便通異常など。
- 体の痛み・こわばり: 肩や首のこり、腰痛、筋肉の緊張など。
- 発汗・冷や汗: 理由もなく汗をかく、手足が冷たくなるなど。
これらの症状は、自律神経の乱れや過度な筋緊張などによって引き起こされます。多くの症状が複合的に現れることも少なくありません。
不安やイライラなどの精神的な症状
身体症状と同時に、あるいはそれ以上に強く、精神的な症状も現れます。
- 不安・心配: 漠然とした不安、特定の状況に対する強い不安、将来への過度な心配など。
- イライラ・焦燥感: 些細なことで腹が立つ、落ち着きがない、じっとしていられない感じなど。
- 集中力低下: 物事に集中できない、すぐに気が散る、ミスが増えるなど。
- 思考力の低下: 考えがまとまらない、決断ができないなど。
- 気分の落ち込み: ゆううつな気分が続く、興味や喜びを感じないなど。
- 過敏さ: 音や光に敏感になる、周囲の評価が過度に気になるなど。
これらの精神症状は、身体症状をさらに悪化させたり、互いに影響し合ったりすることがあります。「不安だから動悸がする」→「動悸がするからさらに不安になる」といった負のループに陥ることも少なくありません。ご自身の心と体のサインに気づき、早めに対処することが重要です。
なぜ不安だと動悸や倦怠感が起こる?考えられる原因
不安が動悸や倦怠感を引き起こすメカニズムは複雑ですが、主に「ストレスと自律神経の乱れ」や「メンタルの不調」が深く関わっています。
ストレスが自律神経の乱れを引き起こすメカニズム
私たちの体には、意識しなくても体の機能を調整してくれる「自律神経」という神経システムがあります。心臓の動き、呼吸、消化、体温調節、ホルモンの分泌など、生命維持に必要な様々な機能をコントロールしています。
自律神経(交感神経・副交感神経)のバランス
自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」という二つの異なる神経から成り立っています。
- 交感神経: 体を活動モードにする神経です。心拍数を上げる、血圧を上げる、呼吸を速くする、筋肉を緊張させるなど、「闘争か逃走か(fight or flight)」の状態に対応します。ストレスや緊張を感じたときに優位になります。
- 副交感神経: 体を休息・回復モードにする神経です。心拍数を下げる、血圧を下げる、呼吸を落ち着かせる、筋肉を緩める、消化を促進するなど、リラックスしているときに優位になります。
健康な状態では、この二つの神経がバランスを取りながら働いています。日中は交感神経が優位になり活動的に、夜間は副交感神経が優位になり休息・睡眠に適した状態になります。
ストレスと自律神経失調
「ストレス」は、外部からの刺激(暑さ・寒さ、騒音など)や精神的な負荷(人間関係、仕事の悩み、将来への不安など)によって体が受ける負担全般を指します。ストレスを受けると、体はそれに抵抗しようとして交感神経を活性化させます。適度なストレスは集中力を高めるなどプラスに働くこともありますが、過度なストレスや慢性的なストレスは問題を引き起こします。
ストレスが長期にわたって続いたり、精神的な負荷が大きい場合、交感神経が過剰に働き続けたり、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなったりします。これが「自律神経の乱れ(自律神経失調)」です。
自律神経が乱れると、心臓の鼓動をコントロールする信号が不安定になり、動悸や脈の乱れを引き起こします。また、全身の血管や筋肉が常に緊張した状態になるため、血行が悪くなり、疲労物質が蓄積しやすくなります。これが、倦怠感や体の重さ、肩こりなどの原因となります。さらに、消化器系の不調(吐き気、腹痛など)や、呼吸器系の不調(息苦しさ、過呼吸など)も自律神経の乱れによって引き起こされる代表的な症状です。
不安は、まさにこの自律神経、特に交感神経を過剰に刺激する大きな要因となります。常に何かに不安を感じている状態は、体が常に緊張状態にあることと同じであり、自律神経のバランスを崩し、様々な身体症状を引き起こすのです。
メンタルの不調(不安障害、パニック障害、うつ病など)との関連
不安や動悸、倦怠感といった症状は、単なる自律神経の乱れだけでなく、特定の精神疾患の症状として現れている可能性もあります。
- 不安障害: 特定の対象や状況に対して過剰な不安を感じ、それが日常生活に支障をきたす病気の総称です。全般性不安障害、社交不安障害、分離不安障害、特定の恐怖症など様々なタイプがあります。全般性不安障害では、様々なことに対して慢性的な不安や心配を感じ続け、それに伴って動悸、頭痛、倦怠感、集中力低下などの身体症状が現れることがよくあります。
- パニック障害: 予期せぬパニック発作(激しい動悸、息苦しさ、胸の痛み、めまい、発汗などが突然現れ、「死ぬのではないか」「気がおかしくなるのではないか」といった強い恐怖を伴う)を繰り返す病気です。パニック発作が起きていない時も、「また発作が起きるのではないか」という予期不安を抱き、それが慢性的な緊張や倦怠感につながることがあります。
- うつ病: 気分の落ち込みや興味・喜びの喪失が持続する精神疾患です。精神症状が主体ですが、食欲不振、睡眠障害、疲労感、倦怠感、体の痛みといった身体症状も高頻度で見られます。特に重いうつ病では、倦怠感が強く、体を動かすことすら困難になる場合があります。
これらのメンタル不調は、自律神経の機能にも影響を与えるため、身体症状と精神症状が複雑に絡み合い、悪循環を生み出すことがあります。
生活習慣や性格が影響することも
自律神経の乱れやメンタルの不調は、日々の生活習慣や個人の性格にも影響を受けます。
- 不規則な生活: 睡眠不足、夜更かし、食事時間のバラつきなどは、体内時計や自律神経のリズムを乱します。
- 運動不足: 適度な運動はストレス解消や自律神経のバランス調整に有効ですが、運動不足はこれらを妨げます。
- 偏った食事: 栄養バランスの偏りやカフェイン・アルコールの過剰摂取も自律神経に影響を与えることがあります。
- 休息不足: 仕事や活動に追われ、心身を休ませる時間がないと、疲労が蓄積し自律神経が乱れやすくなります。
- ストレスを抱え込みやすい性格: 真面目すぎる、責任感が強い、完璧主義、人に頼るのが苦手、感情表現が苦手といった性格傾向を持つ人は、ストレスを溜め込みやすく、自律神経失調やメンタル不調に陥りやすいと言われています。
これらの要因が複数組み合わさることで、不安からくる動悸や倦怠感が現れやすくなったり、症状が慢性化したりすることがあります。
不安からくる動悸・倦怠感で考えられる病気
不安に伴う動悸や倦怠感は、いくつかの病気の症状として現れることがあります。ここでは、精神的な要因が大きいと考えられる病気と、身体的な病気の可能性について解説します。
自律神経失調症とは?症状と診断
自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れることで、様々な身体的・精神的な不調が現れる状態です。特定の疾患を指すというよりは、症候群(様々な症状の集まり)として捉えられることが多いです。
自律神経失調症の主な症状(全身・精神)
自律神経失調症の症状は多岐にわたり、個人差が大きいのが特徴です。全身に様々な症状が現れます。
全身症状:
- 全身の倦怠感・疲労感
- めまい・立ちくらみ
- 頭痛・頭重感
- 動悸・胸の痛み
- 息苦しさ・喉の違和感
- 手足の冷え・しびれ
- 異常な発汗
- 微熱
- 睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い、早朝覚醒など)
精神症状:
- 不安感・イライラ
- 気分の落ち込み・意欲低下
- 集中力・思考力の低下
- 落ち着きのなさ・焦燥感
- 人との交流を避けるようになる
これらの症状は、日によって強さが変わったり、時間帯によって変化したりすることもあります。午前中にだるさが強く、午後になると比較的楽になるといったパターンが見られることもあります。
自律神経失調症の診断方法・セルフチェック
自律神経失調症は、特定の検査で明確に診断できるものではありません。症状の経過や内容、身体的な病気がないかどうかの除外診断(他の病気ではないことを確認する)によって総合的に判断されます。
医療機関では、詳細な問診(症状、発症の経緯、生活習慣、ストレス状況など)を行い、必要に応じて血液検査や心電図検査、甲状腺機能検査などを行い、身体的な病気が原因ではないことを確認します。
ご自身でセルフチェックをする場合は、以下の項目を参考に、当てはまる症状が多いかどうかを確認してみてください。(これはあくまで参考であり、診断ではありません)
症状の種類 | チェック項目 |
---|---|
全身の症状 | 常に体がだるく、疲れがとれない / めまいや立ちくらみがよく起こる / 頭痛や頭が重い感じがする / 動悸や息苦しさを感じる / 手足が冷えやすい、またはほてる / 汗をかきやすい / 微熱が続く / よく眠れない |
精神の症状 | ちょっとしたことでイライラする / 不安を感じやすい / 気分がゆううつになる / 集中できない / 物事への興味や意欲がわかない / 落ち着きがない |
胃腸の症状 | 吐き気がする / 胃がもたれる / 食欲がない / 便秘や下痢を繰り返す |
上記の症状が複数当てはまり、それが慢性的に続いている場合は、自律神経の乱れが関係している可能性があります。
自律神経失調症になりやすい人の特徴
自律神経失調症になりやすい人には、いくつかの特徴が見られます。
- ストレスを溜め込みやすい:感情表現が苦手、完璧主義、責任感が強い、我慢しやすいなど。
- 生活リズムが不規則:夜型生活、睡眠不足、食事時間がバラバラなど。
- 環境の変化に弱い:引っ越し、転職、入学・卒業など、環境の変化に適応するのが苦手。
- 真面目で几帳面な性格:物事を深く考えすぎる傾向がある。
- 体の感受性が高い:体の小さな変化にも気づきやすく、それに過剰に反応しやすい。
もちろん、これらの特徴がない人でも自律神経失調症になる可能性はあります。誰にでも起こりうる状態です。
不安障害(社交不安障害、全般性不安障害など)
前述したように、不安障害も動悸や倦怠感の原因となります。
- 全般性不安障害: 様々な出来事や活動に対して、持続的で過剰な不安や心配を感じます。この不安はコントロールが難しく、落ち着きのなさ、疲れやすさ、集中困難、イライラ、筋肉の緊張、睡眠障害といった身体症状を伴います。倦怠感は、常に心配事があることによる精神的な疲弊から生じやすい症状です。
- 社交不安障害: 他者から注目される状況や社会的な状況(人前での発表、初対面の人との会話など)に対して、強い不安や恐怖を感じます。その結果、そうした状況を避けようとします。社交的な状況に直面すると、動悸、発汗、震え、顔の紅潮、吐き気といった身体症状が現れることがあります。
不安障害は、特定の状況や対象への不安が強く、それによって身体症状が誘発されるのが特徴です。
パニック障害
パニック障害のパニック発作は、突然の激しい身体症状(動悸、息苦しさ、めまい、胸痛など)と強い恐怖が特徴です。発作そのものは数分から数十分で収まりますが、「また発作が起きるのではないか」という予期不安が慢性的な緊張状態を作り出し、これが倦怠感や他の自律神経症状を引き起こすことがあります。発作が起きる場所を避けるようになる(広場恐怖)こともあり、生活範囲が狭まることでさらにストレスが増加し、症状が悪化することもあります。
うつ病
うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下が中心的な症状ですが、身体症状も非常に多く見られます。特に「倦怠感」はうつ病の代表的な症状の一つです。「体が鉛のように重い」「布団から出られない」といった強い倦怠感を感じることがあります。食欲不振や睡眠障害も伴いやすく、これらの症状が複合的に絡み合って日常生活に大きな支障をきたします。不安や焦燥感を強く伴ううつ病もあり、動悸や他の自律神経症状が見られることもあります。
身体的な病気の可能性も(受診が必要なケース)
不安による精神的な原因だけでなく、動悸や倦怠感が身体的な病気のサインである可能性もゼロではありません。特に以下のような病気が原因で、動悸や倦怠感が現れることがあります。
- 心臓病: 不整脈、狭心症、心不全など。動悸や息切れ、胸痛などが現れます。
- 甲状腺機能亢進症: 甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。動悸、手の震え、多汗、体重減少、イライラ、全身倦怠感などが現れます。
- 貧血: 血液中のヘモグロビンが減少し、全身に酸素が十分に行き渡らなくなる状態です。倦怠感、息切れ、動悸、めまいなどが現れます。
- 低血糖: 血糖値が正常範囲よりも低くなる状態です。動悸、手の震え、冷や汗、めまい、倦怠感、意識障害などが現れます。
- 慢性疲労症候群: 明確な原因が見つからない強い疲労感が長期間続く病気です。倦怠感の他に、思考力・集中力低下、睡眠障害、微熱、リンパ節の腫れ、筋肉痛・関節痛などが現れます。
重要な点として、これらの身体的な病気は、精神的な不調と症状が似ている場合があるため、自己判断は危険です。
特に、以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、身体的な病気がないか確認することが非常に重要です。
- 突然、これまで経験したことのない強い動悸や息苦しさが現れた
- 胸の痛みを伴う動悸がある
- 失神や意識が遠くなるような症状がある
- 安静にしていても強い倦怠感が続く
- 体重が急に減少した
- 発熱が続く
- 特定の体の部位の痛みが強い
これらの症状は、心臓や内分泌系などの重要な臓器の病気を示唆している可能性があります。
不安による動悸・倦怠感への対処法と治療
不安からくる動悸や倦怠感の症状を改善するためには、セルフケアと専門的な治療の両面からアプローチすることが有効です。
今すぐできるセルフケア・不安の解消法
まずは、ご自身でできることから始めてみましょう。日々の生活に取り入れられる簡単なセルフケアは、自律神経のバランスを整え、不安を和らげる助けになります。
リラクゼーション法(深呼吸、瞑想など)
不安を感じて体が緊張しているときは、意識的に体をリラックスさせることが重要です。
- 腹式呼吸: ゆっくりと鼻から息を吸い込み、お腹を膨らませます。そして、口からゆっくりと、吸うときの倍くらいの時間をかけて息を吐き出します。これを数回繰り返すと、副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着き、リラックス効果が得られます。動悸を感じたときにも有効です。
- 筋弛緩法: 体の各部分(手、腕、肩、顔、首、背中、お腹、足など)の筋肉にぐっと力を入れ、数秒キープしてから一気に力を抜くという動作を繰り返します。体の緊張が和らぐのを実感できます。
- 瞑想(マインドフルネス): 静かな場所で座り、呼吸に意識を向けます。様々な思考が浮かんできますが、それに囚われず、ただ流れる雲のように観察します。今、この瞬間に意識を集中することで、過去や未来への不安から解放される時間を作ることができます。
- アロマテラピー: ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のある香りを活用するのも良いでしょう。
適度な運動を取り入れる
定期的な運動は、心身の健康に非常に良い影響を与えます。
- 有酸素運動: ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など。適度な有酸素運動は、ストレスホルモンの分泌を抑え、気分を高揚させるエンドルフィンを分泌させます。また、心肺機能を高め、自律神経のバランスを整える効果も期待できます。激しい運動でなくても、毎日少しずつでも継続することが大切です。
- ストレッチやヨガ: 体の緊張をほぐし、柔軟性を高めます。深い呼吸と組み合わせることで、リラックス効果も得られます。
運動によって体の疲労感が適度に増すことで、夜間の睡眠の質が向上することもあります。
質の良い睡眠を確保する
睡眠は、心身の回復に不可欠です。睡眠不足は自律神経の乱れや精神的な不調を招きやすいため、質の良い睡眠を十分にとることが重要です。
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように努める(休日も大きなズレがないように)。
- 寝る前にカフェインやアルコールを控える。
- 寝る直前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない(ブルーライトは脳を覚醒させます)。
- 寝室を暗く静かにし、快適な温度・湿度に保つ。
- 軽い読書やストレッチなど、リラックスできる習慣を寝る前に行う。
十分な睡眠をとることで、日中の倦怠感が軽減される可能性があります。
食事と栄養バランスを見直す
バランスの取れた食事は、心身の健康の基本です。
- 3食規則正しく食べる。
- ビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなど、神経の働きをサポートする栄養素を意識して摂る。
- 腸内環境を整えることも、心の健康に関わると言われています。発酵食品や食物繊維を積極的に摂りましょう。
- カフェインやアルコールの過剰摂取は、自律神経を刺激したり、睡眠の質を低下させたりするため控えめにしましょう。
- 血糖値の急激な変動も体の不調につながることがあります。甘いものや炭水化物だけの食事を避け、タンパク質や野菜もバランス良く摂りましょう。
ストレスの原因を特定し距離を置く
不安や体の不調の根本原因となっているストレス要因を見つけることも大切です。
- 何に不安を感じやすいのか、どんな時に症状が悪化するのかを記録してみる。
- 避けられるストレス要因であれば、可能な範囲で距離を置いたり、対処したりする方法を考える。
- 全てを自分で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、助けを求めたりすることも重要です。
- 自分の時間を作り、好きなことや楽しいことに時間を使うことで、気分転換を図る。
ストレスと上手に向き合う方法を見つけることが、症状の改善につながります。
医療機関での治療
セルフケアだけでは症状が改善しない場合や、症状が重く日常生活に支障が出ている場合は、専門の医療機関を受診することが重要です。
何科を受診すべきか(心療内科、精神科)
不安からくる動悸や倦怠感で医療機関を受診する場合、主に以下の科が考えられます。
- 内科: まずは身体的な病気(心臓病、甲状腺疾患、貧血など)がないかを確認するために受診します。必要に応じて専門科へ紹介されます。
- 心療内科: 身体症状を伴う心の病気を専門とします。「ストレスが原因で体に症状が出ているのでは?」と感じる場合に適しています。自律神経失調症や心身症、パニック障害などで受診することが多いです。
- 精神科: 気分の落ち込み、不安、幻覚、妄想など、心の病気を専門とします。うつ病や不安障害などで受診することが多いです。
動悸や倦怠感が強く、身体的な原因も心配な場合は、まずは内科を受診し、必要に応じて心療内科や精神科を紹介してもらうのが良いでしょう。身体的な検査で異常が見られないにもかかわらず症状が続く場合は、心療内科や精神科の受診を検討しましょう。どちらの科を受診すべきか迷う場合は、かかりつけ医に相談してみるのも良い方法です。
薬物療法について
症状や病気の種類に応じて、薬物療法が有効な場合があります。
- 抗不安薬: 不安感を和らげ、それに伴う身体症状(動悸、震え、筋肉の緊張など)を軽減する効果があります。即効性があるものもありますが、依存性のリスクがあるため、医師の指示に従って正しく服用することが重要です。
- 抗うつ薬: 気分の落ち込みだけでなく、不安や焦燥感、身体症状(倦怠感など)にも効果が期待できます。効果が現れるまでに数週間かかることがありますが、依存性は低いとされています。SSRIやSNRIといった種類の薬がよく使われます。
- 自律神経調整薬: 自律神経の働きを調整する効果が期待できる薬です。
- 漢方薬: 不安や倦怠感、自律神経失調症に対して、体質や症状に合わせて漢方薬が処方されることもあります。西洋薬とは異なるアプローチで、穏やかに心身のバランスを整えることを目指します。
薬物療法はあくまで症状を和らげるための対症療法であり、根本的な原因へのアプローチ(ストレス管理、生活習慣改善など)と並行して行うことが重要です。医師とよく相談し、ご自身の症状や体質に合った薬を見つけることが大切です。
精神療法・カウンセリング
薬物療法と並行して、あるいは薬を使わずに、精神療法やカウンセリングが行われることもあります。
- 認知行動療法: 不安や体の不調につながる「考え方の偏り(認知の歪み)」や「行動のパターン」に気づき、より現実的で柔軟な考え方や、問題解決につながる行動を身につけていく療法です。不安への対処法やリラクゼーション法なども学びます。
- 森田療法: 日本で生まれた精神療法で、不安などの感情をあるがままに受け入れ、症状があってもやるべきことを行うことを重視します。不安や症状に囚われすぎない心の状態を目指します。
- カウンセリング: 専門家との対話を通して、ご自身の悩みや不安を整理し、問題解決の糸口を見つけたり、ストレスへの対処法を学んだりします。
精神療法やカウンセリングは、不安や体の不調の背景にある心理的な要因やストレスへの対処能力を高める上で非常に有効です。
生活習慣改善のアドバイス
医療機関では、薬物療法や精神療法に加えて、生活習慣改善に関するアドバイスも行われます。睡眠、食事、運動、休息の取り方など、日常生活の中で症状を和らげるための具体的な方法について、医師や看護師、臨床心理士などから指導を受けることができます。
病院を受診する目安・専門医への相談
「このくらいの症状で病院に行っていいのかな?」と迷う方もいるかもしれません。しかし、症状が続く場合は我慢せずに専門医に相談することが大切です。
以下のような場合は、早めに医療機関を受診することを検討しましょう。
- 症状が強く、日常生活に支障が出ている: 仕事や学業、家事などが通常通り行えない、外出するのがつらいなど。
- 症状が長く続いている: 数週間以上にわたって動悸や倦怠感が続いている。
- セルフケアを試しても改善が見られない: リラクゼーションや生活習慣の改善を試みたが、症状が良くならない。
- 症状が突然現れた、または悪化している: 特に強い動悸や胸痛、息苦しさなど、身体的な異常を疑う症状がある場合。
- 「このままだとどうなるんだろう」という強い不安がある: 症状自体や将来への不安が大きく、精神的に追い詰められている。
- 身体的な病気の可能性が心配: 発熱、体重減少、特定の部位の痛みなど、気になる症状がある。
まずはかかりつけ医に相談するか、症状に応じて内科、心療内科、精神科を受診しましょう。早期に適切な診断と治療を受けることで、症状の改善や悪化の予防につながります。
専門医は、あなたの症状を詳しく聞き、必要な検査を行い、最も適切な治療法を提案してくれます。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることは、回復への重要な一歩です。
まとめ:不安と体の不調に向き合い改善を目指す
「不安から動機が激しく倦怠感が抜けない」という症状は、多くの場合、ストレスやメンタルの不調が自律神経のバランスを乱すことによって引き起こされます。これは決して「気のせい」ではなく、心と体が発する大切なサインです。
この記事では、不安が引き起こす様々な身体症状や精神症状、その主な原因であるストレスと自律神経の関係、不安障害やうつ病といったメンタル疾患との関連、そして身体的な病気の可能性についても解説しました。
症状の改善に向けて、まずはご自身でできるセルフケアとして、リラクゼーション、適度な運動、質の良い睡眠、バランスの取れた食事、そしてストレスとの上手な付き合い方を実践してみましょう。これらの取り組みは、自律神経のバランスを整え、心身の回復を促す助けとなります。
セルフケアだけでは難しい場合や、症状が重い、長引く場合は、専門の医療機関を受診することが重要です。内科で身体的な病気をチェックしてもらうか、心療内科や精神科でメンタル面からのアプローチを検討しましょう。薬物療法や精神療法、カウンセリングなど、様々な治療法があります。
不安からくる動悸や倦怠感は、つらい症状ですが、原因を理解し、適切な対処や治療を行うことで改善が期待できます。一人で悩まず、ご自身の心と体に向き合い、専門家のサポートも得ながら、健康な状態を取り戻していくことを目指しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状に対する医学的なアドバイスや診断を行うものではありません。ご自身の症状については、必ず医療機関を受診し、医師の診断と指導を受けてください。