六君子湯は、胃腸の働きが弱く、食欲がない、疲れやすいといった体質の方によく用いられる漢方薬です。「君子」は徳の高い人を意味し、人参・白朮・茯苓・甘草という胃腸の機能を補う基本となる4つの生薬に、胃のつかえや吐き気を改善する陳皮と半夏を加えたものです。
これらの生薬の組み合わせにより、胃腸の働きを整え、消化吸収を助け、体全体の調子を良くする効果が期待できます。

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六君子湯に期待できる主な効果
六君子湯は、主に胃腸の不調を中心に、それに伴う様々な症状に効果を発揮します。
胃腸は飲食物を消化・吸収し、全身に栄養を行き渡らせる重要な働きを担っているため、その機能が低下すると体全体に影響が出ます。
六君子湯は、このような胃腸機能の低下によって起こる様々な不調を改善するのに役立ちます。
胃腸機能の改善効果(食欲不振・消化不良・胃もたれ)
六君子湯の最も中心的な効果は、胃腸の働きを改善することです。
構成生薬である人参、白朮、茯苓、甘草は、漢方では「脾胃(ひい)」と呼ばれる消化吸収機能を高める働きがあるとされます。
特に人参は、胃腸の「気」を補い、消化管の運動を促進する効果が期待できます。
現代医学的な研究でも、機能性ディスペプシア(消化不良)に対する六君子湯の効果が報告されています。
例えば、ある多施設研究では、「六君子湯を8週間投与することで、消化不良、特に上腹部痛や食後膨満感の症状が軽減された」という結果が得られています(出典:Rikkunshito in the treatment of functional dyspepsia–a multicenter …)。
また、食欲不振の原因の一つとされる消化管ホルモン「グレリン」の分泌を促進する効果も研究されており、これが食欲を増進させるメカニズムの一つと考えられています。
これらの働きにより、食欲がない、食べてもすぐに胃がもたれる、消化が悪くお腹が張るといった症状の改善に繋がります。
食欲が増し、しっかりと食事が摂れるようになると、体に必要な栄養が行き渡り、体力の回復や全身倦怠感の改善にも繋がります。
吐き気・嘔吐への効果
胃の働きが弱く、食べ物が胃の中に停滞してしまうと、吐き気や嘔吐を引き起こしやすくなります。
六君子湯に含まれる陳皮と半夏は、このような胃のつかえや停滞を取り除き、吐き気を抑える働きがあるとされる生薬です。
陳皮はミカンの皮を乾燥させたもので、消化を助け、胃の張りや吐き気を和らげる効果が期待できます。
半夏はサトイモ科の植物の根茎で、特に水分代謝を調整し、胃の停滞や吐き気、嘔吐を抑える作用があるとされます。
これらの生薬が協力することで、胃の不快な症状である吐き気や実際に吐いてしまうといった状態を緩和する効果が期待できます。
自律神経の乱れへの効果
胃腸の働きは、自律神経によって大きく調節されています。
ストレスや不規則な生活などによって自律神経のバランスが乱れると、胃の働きが低下したり、胃酸の分泌が過剰になったりして、胃痛、胃もたれ、吐き気などの胃腸症状が現れることがあります。
これは「脳腸相関」とも呼ばれ、脳と腸が密接に影響し合っていることが知られています。
六君子湯は、直接的に自律神経を調整する薬ではありませんが、胃腸の機能を整えることで、間接的に自律神経の乱れに伴う胃腸症状の緩和に繋がることがあります。
胃の不調が改善されることで、それに伴う体の不快感が軽減され、結果として精神的な負担も軽くなる可能性があります。
また、漢方では「気虚(ききょ)」と呼ばれる、体全体のエネルギー不足の状態が自律神経の乱れと関連すると考えられることがあり、六君子湯の気が補われることで、体全体のバランスが整い、自律神経の安定に寄与する可能性も示唆されています。
ただし、これはあくまで胃腸症状を伴う自律神経の乱れに対する効果であり、全ての自律神経失調症に効果があるわけではありません。
痩せ型体質や全身倦怠感への効果
胃腸の働きが弱く、十分に栄養を吸収できない体質の方は、痩せ気味になったり、体に必要なエネルギーが不足して全身倦怠感を感じやすくなったりします。
六君子湯は、胃腸の消化吸収能力を高めることで、食事からしっかりと栄養を取り込めるようにサポートします。
栄養状態が改善されると、体に必要なエネルギーが十分に供給されるようになり、体力の回復や全身の疲労感、だるさの軽減に繋がります。
特に、病後の体力低下や、疲れやすさが慢性化している方の体力・気力の回復に用いられることがあります。
痩せ型の体質そのものを劇的に変えるというよりは、胃腸の働きを改善することで、健康的な体重増加や体力の維持・向上をサポートする効果が期待されます。
六君子湯の効果が出るまでの期間
六君子湯を含む漢方薬は、一般的に効果が現れるまでに時間がかかると言われることが多いですが、これは症状や個人の体質によって大きく異なります。
急性の胃もたれや吐き気など、比較的症状が軽い場合は、服用後数日から1週間程度で効果を感じ始めることがあります。
胃の動きが良くなり、食欲が出てくるなど、比較的早い段階で変化を実感できる場合もあります。
しかし、慢性の食欲不振や胃もたれ、全身倦怠感など、体質からくる根深い症状の場合は、効果を実感できるまでに数週間から数ヶ月かかることも珍しくありません。
漢方薬は、体のバランスをゆっくりと整えていくことを目的とするため、体質改善にはある程度の継続が必要です。
効果が出ないと感じても、すぐに服用を中止せず、まずは1ヶ月程度は継続して様子を見るのが一般的です。
ただし、症状が悪化する場合や、新たな症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
効果が出るまでの期間には個人差があるため、「いつまでに必ず効果が出る」と断定することはできません。
六君子湯の副作用と服用上の注意
六君子湯は比較的安全性の高い漢方薬とされていますが、医薬品である以上、副作用が全くないわけではありません。
体質や体調によっては、以下のような副作用が現れる可能性があります。
特に注意すべき副作用(偽アルドステロン症など)
六君子湯に含まれる甘草(カンゾウ)という生薬は、量が多い場合や、他の甘草を含む漢方薬と併用することで、偽アルドステロン症という副作用を引き起こす可能性があります。
偽アルドステロン症の主な症状
- 手足のだるさ
- しびれ
- つっぱり感やこわばり
- 脱力感
- むくみ
- 血圧の上昇
これらの症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、医師の診察を受けてください。
偽アルドステロン症は、体内のカリウムが減少し、ナトリウムと水が貯留することによって起こります。
重症化すると、筋肉の麻痺や心臓への負担となることもあります。
定期的に服用する場合は、特にカリウム値や血圧の変動に注意が必要です。
その他、まれに以下のような副作用が報告されています。
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 胃部不快感、下痢などの消化器症状
これらの症状が現れた場合も、服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
六君子湯が合わない人
六君子湯は、漢方的な見方で「虚証(きょしょう)」と呼ばれる、体力がなく、胃腸の働きが弱い体質の方に適しています。
また、食欲不振、胃もたれ、吐き気、疲れやすい、手足が冷えやすい、顔色が悪いといった症状がある方に用いられます。
逆に、以下のような体質や症状がある方には、六君子湯が合わない、あるいは慎重な服用が必要な場合があります。
- 実証(じっしょう)の方:体力が充実しており、比較的がっしりした体格の方。胃腸の働きも強く、便秘傾向がある方など。
- 体力が非常に充実している方
- 体の熱がこもっている方:顔色が赤く、暑がりで、口が渇きやすい方など。
- 妊婦または妊娠している可能性のある方:安全性が確立されていないため、服用前に必ず医師に相談してください。
- 高齢者:生理機能が低下していることが多く、副作用が出やすい可能性があるため、少量から始めるなど慎重な対応が必要です。
ご自身の体質や症状が六君子湯に適しているかどうかは、専門家である医師や薬剤師に相談して判断してもらうことが重要です。
併用禁忌・注意が必要な飲み合わせの薬
六君子湯を服用する際には、他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。
特に注意が必要な薬
- 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬:六君子湯には甘草が含まれています。他の漢方薬にも甘草が含まれていることが多く、複数の漢方薬を同時に服用することで、甘草の摂取量が過剰になり、偽アルドステロン症のリスクが高まります。例えば、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)などには比較的多くの甘草が含まれています。必ず、服用中の全ての漢方薬やサプリメントについて、医師や薬剤師に伝えてください。
- グリチルリチン酸またはその塩類を含む薬剤:甘草の主要成分であるグリチルリチン酸を含む医療用医薬品や一般用医薬品(風邪薬、咳止め、胃腸薬など)との併用も、偽アルドステロン症のリスクを高めます。
- ループ利尿薬、チアジド系利尿薬:これらの利尿薬は体内のカリウムを排出しやすくするため、六君子湯と併用すると、偽アルドステロン症による低カリウム血症のリスクが高まる可能性があります。
現在服用している全ての医療用医薬品、一般用医薬品、サプリメントなどを必ず医師や薬剤師に伝えて、飲み合わせについて確認してください。
自己判断での併用は危険を伴う可能性があります。
六君子湯の正しい飲み方とタイミング
漢方薬は、効果を最大限に引き出すために、正しい飲み方とタイミングがあります。
六君子湯も例外ではありません。
いつ飲むのが効果的か?
六君子湯は、一般的に食前または食間に服用するのが効果的とされています。
- 食前:食事をする約30分前。胃の中に食べ物が入っていない空腹の状態で服用することで、成分の吸収が良くなると考えられています。
- 食間:食事と食事の間で、食後約2時間後の胃の中に食べ物があまり残っていない状態。これも空腹時に近い状態で、成分が吸収されやすくなります。
なぜ食前・食間が推奨されるかというと、漢方薬の成分が胃の内容物の影響を受けにくく、効率よく吸収されるためです。
また、胃腸の働きを調整する目的の漢方薬は、食事を摂る前に飲むことで、その後の消化吸収をサポートする効果が期待できます。
ただし、空腹時に飲むと胃がムカムカするなど不快な症状が出る場合は、食後に服用しても構いません。
大切なのは、指示された量を毎日決まった時間に継続して服用することです。
また、漢方薬の顆粒やエキス剤は、少量のお湯に溶かして温かい状態で飲むのがおすすめです。
お湯に溶かすことで成分が溶け出しやすくなり、吸収が促進されると考えられています。
また、温かい状態で飲むことは、冷えによって胃腸の働きが悪くなっている方にとっては、体を温める効果も期待できます。
長期服用(飲み続けても大丈夫?)について
六君子湯は慢性的な胃腸の不調や体質改善のために、比較的長期間服用されることがあります。
医師や薬剤師の指導のもとで、用法・用量を守って服用する場合は、安全性が確認されています。
しかし、漫然と自己判断で長期間服用することは避けるべきです。
特に、先述した偽アルドステロン症のような副作用は、長期間服用することでリスクが高まる可能性があります。
また、症状が改善されたにもかかわらず、ずるずると飲み続ける必要はありません。
長期服用が必要な場合は、定期的に医師の診察を受け、体調の変化や副作用の有無を確認してもらうことが重要です。
また、症状が改善された場合は、減量したり、服用を中止したりすることについて、必ず医師や薬剤師に相談してください。
ご自身の判断だけで服用を続けたり中止したりすることは、効果が得られなかったり、体調を崩したりする原因となる可能性があります。
ツムラ六君子湯など製品について
六君子湯は、様々なメーカーから医療用医薬品や一般用医薬品(市販薬)として販売されています。
代表的なメーカーの一つにツムラがあります。
ツムラ六君子湯の特徴
ツムラ六君子湯(医療用)は、主に医療機関で医師の処方によって使用される医療用漢方製剤です。
顆粒タイプで、成分量などが一定に管理されており、品質が高いことが特徴です。
医師は患者さんの症状や体質(証)を診断した上で、最も適した漢方薬としてツムラ六君子湯を処方します。
ツムラの医療用漢方製剤は、厳格な品質管理のもと製造されており、多くの医療機関で信頼されています。
処方薬であるため、入手するには医師の診察が必要です。
市販されている六君子湯
六君子湯は、薬局やドラッグストアで「一般用医薬品」としても市販されています。
ツムラの「ツムラ漢方六君子湯エキス顆粒」の他、クラシエ、コタロー、満量処方と記載されているメーカーなど、様々な会社から販売されています。
市販薬は、医療用と比べて成分量や添加物などが異なる場合があります。
また、「効能・効果」の表現も、医療用が医師の診断に基づく症状全般を対象とするのに対し、市販薬はより限定的な表現になっていることが多いです。
市販の六君子湯を選ぶ際のポイント
- 体力虚弱で胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすく、貧血性で手足が冷えやすいといった体質・症状に合っているか確認する。
- 成分量(エキス量):製品によって1日量あたりの成分量が異なる場合があります。満量処方と記載されているものは、医療用と同等の生薬量を配合していることが多いですが、必ずしも効果が同等とは限りません。
- 添加物:製品によって乳糖、セルロース、ステアリン酸マグネシウムなどの添加物が含まれています。アレルギーなどがある場合は確認が必要です。
- 剤形:顆粒、錠剤などがあります。飲みやすさで選びましょう。
- 価格:メーカーや容量によって異なります。
- 薬剤師や登録販売者への相談:市販薬の場合でも、購入前に薬剤師や登録販売者に相談し、自身の症状や体質に合っているか、現在服用中の薬との飲み合わせは問題ないかなどを確認することをおすすめします。
市販薬は手軽に入手できますが、自己判断で服用するのではなく、専門家のアドバイスを受けることが安全かつ効果的に使用するために重要です。
六君子湯と四君子湯の違い
六君子湯と混同されやすい漢方薬に「四君子湯(しくんしとう)」があります。
名前も似ていますが、構成生薬と適応する症状に違いがあります。
六君子湯と四君子湯は、どちらも胃腸の機能を高める「補気健脾(ほきけんぴ)」の代表的な処方であり、人参、白朮、茯苓、甘草という4つの生薬を共通して含んでいます。
この4つの生薬の組み合わせを「四君子」と呼び、胃腸の働きを補い、気を増やす基本的な処方です。
六君子湯と四君子湯の構成生薬の違い
生薬名 | 四君子湯 | 六君子湯 | 薬効(一般的なもの) |
---|---|---|---|
人参 | 〇 | 〇 | 胃腸の気を補い、体力をつける |
白朮 | 〇 | 〇 | 胃腸の働きを助け、体内の余分な水分を取り除く |
茯苓 | 〇 | 〇 | 体内の余分な水分を取り除き、精神を安定させる |
甘草 | 〇 | 〇 | 胃腸の働きを助け、薬性を調和させる(注意点あり) |
陳皮 | × | 〇 | 気の巡りを良くし、消化を助け、吐き気を抑える |
半夏 | × | 〇 | 体内の余分な水分を取り除き、吐き気や痰を抑える |
大棗 | (〇) | (〇) | 胃腸を和らげ、滋養強壮作用がある(含む製品もある) |
生姜 | (〇) | (〇) | 胃腸を温め、吐き気を抑える(含む製品もある) |
※大棗、生姜は一般的に含まれますが、製品によっては構成生薬に数えられない場合もあります。
主な違いと使い分け
- 四君子湯:基本の4つの生薬のみで構成されており、主に胃腸の機能が低下し、気が不足している(気虚)状態に適しています。食欲不振や全身倦怠感が主な症状で、比較的シンプルな胃腸虚弱に用いられます。
- 六君子湯:四君子湯に陳皮と半夏が加わっています。陳皮は気の巡りを良くし、胃のつかえを改善する働きがあり、半夏は体内の余分な水分(痰湿)を取り除き、吐き気や胃の停滞を改善する働きがあります。したがって、六君子湯は、四君子湯の適応である気虚による症状に加え、胃のつかえや張り、吐き気、胃もたれ、ゲップが多いなど、「気滞(きたい)」や「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる症状を伴う胃腸虚弱に適しています。
まとめると、六君子湯は四君子湯よりも、胃の停滞感や吐き気を伴う症状に特化した処方と言えます。
ご自身の症状がどちらの漢方薬に適しているかは、専門家である医師や薬剤師に相談することが最も確かです。
六君子湯に関するよくある質問(PAA)
六君子湯について、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。
六君子湯はどんな時に飲む?
六君子湯は、以下のような体質や症状がある方に適しています。
- 体力がなく、胃腸が弱いと感じる方
- 食欲不振が続く方
- 食べるとすぐに胃がもたれる、消化不良を感じる方
- 吐き気やムカムカ感、ゲップが多い方
- 胃下垂傾向がある方
- 疲れやすく、全身に倦怠感がある方
- 痩せ型で、なかなか体重が増えない方
- 病後の体力回復期で、食欲がない・胃の調子が悪い方
これらの症状はあくまで目安であり、自己判断せず、医師や薬剤師に相談して適応を確認することが重要です。
六君子湯は自律神経失調症に効果がある?
六君子湯は、直接的に自律神経失調症を治療する薬として承認されているわけではありません。
しかし、自律神経の乱れによって引き起こされる胃腸症状(食欲不振、胃もたれ、吐き気など)を改善することで、結果的にこれらの症状に伴う体の不調や精神的な負担を軽減し、自律神経の安定に間接的に寄与する可能性はあります。
胃腸の不調が自律神経の乱れと関連している場合、六君子湯の服用が有効なケースもあります。
ただし、自律神経失調症の症状は多岐にわたるため、六君子湯が全ての症状に効果があるわけではありません。
自律神経失調症でお悩みの方は、専門医の診断を受け、適切な治療法について相談してください。
六君子湯を飲み続けても大丈夫?
医師や薬剤師の指導のもと、用法・用量を守って服用する場合は、比較的長期間の服用も可能です。
ただし、漫然とした自己判断による長期服用は推奨されません。
特に副作用(偽アルドステロン症など)のリスクを考慮する必要があります。
症状が改善された場合は、服用を継続する必要があるか、減量できないかなどを専門家と相談しましょう。
また、長期服用中に体調の変化や気になる症状が現れた場合は、すぐに相談してください。
六君子湯と飲み合わせてはいけない薬は?
六君子湯に含まれる甘草との相互作用により、偽アルドステロン症のリスクを高める可能性がある薬との飲み合わせに注意が必要です。
- 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬
- グリチルリチン酸またはその塩類を含む薬剤(風邪薬、咳止め、胃腸薬などに含まれることがあります)
- ループ利尿薬、チアジド系利尿薬
現在服用している全ての医療用医薬品、市販薬、サプリメントなどを必ず医師や薬剤師に伝え、飲み合わせについて確認してください。
六君子湯の効果まとめと選び方
六君子湯は、胃腸の働きが弱く、食欲不振、胃もたれ、吐き気、全身倦怠感といった症状に悩む方にとって、有力な選択肢となる漢方薬です。
胃腸の「気」を補い、消化吸収能力を高め、胃のつかえや余分な水分を取り除くことで、これらの不調を改善する効果が期待できます。
特に、胃の停滞感や吐き気を伴う場合に適しています。
六君子湯を選ぶ際には、医療用と市販薬の違いを理解しておくことが重要です。
医療用と市販薬の違い
項目 | 医療用六君子湯 | 市販薬の六君子湯 |
---|---|---|
入手方法 | 医師の処方が必要 | 薬局、ドラッグストアなどで購入可能 |
品質管理 | 厳格な品質管理基準(医薬品医療機器等法) | 医薬品としての品質管理基準 |
成分量 | 成分量が一定(製薬会社による) | 製品によって成分量や配合割合が異なる場合がある |
効能・効果 | 医師の診断に基づいた症状全般を対象とする | 限られた効能・効果の範囲で表示されている |
保険適用 | 適用される場合がある | 適用されない |
専門家への相談 | 医師による診断・処方、薬剤師による説明がある | 薬剤師や登録販売者への相談が可能 |
ご自身の症状が比較的軽く、六君子湯の適応する体質に当てはまる場合は、市販薬を薬剤師や登録販売者に相談の上、試してみることもできます。
しかし、症状が重い、他の病気がある、他の薬を服用している、どの漢方薬が合っているか分からないといった場合は、必ず医師の診察を受け、医療用六君子湯を処方してもらうことを検討してください。
漢方薬は、個人の体質(証)や症状によって効果が大きく異なります。
六君子湯があなたの体質や症状に本当に合っているかどうかは、専門家でなければ判断が難しい場合があります。
効果を実感できない場合や、副作用が疑われる場合は、自己判断で服用を続けたり、他の漢方薬に変えたりせず、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
専門家のアドバイスを受けることが、六君子湯を安全かつ効果的に使用するための最も確実な方法です。
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の製品の購入や服用を推奨するものではありません。個人の健康状態、体質、服用中の薬剤などによっては、予期せぬ副作用や相互作用が生じる可能性があります。六君子湯の服用を検討される際は、必ず医師または薬剤師に相談し、指示に従ってください。本記事の情報に基づいて生じたいかなる結果についても、当方は一切の責任を負いかねます。